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ゆっくりと離れて、琥珀色の瞳に見つめられる。
「アイリス、きみを愛しているよ。
僕のすべてはきみのものだ」
ルイスの長い指が、ワンピースの前ボタンに掛かった。
ひとつひとつ外していくあいだにも、アイリスのまぶたや頬、くちびるに、ルイスは口づけていく。
彼の伝えてくる想いが切なくて、アイリスの右目から涙が零れた。
それをくちびるで受け止め、ルイスはささやくように呪文を詠唱する。
現代では意味をなさない古代語が、唄のように優しくアイリスの肌を撫でていくようだった。
いつのまにか、本能的な恐怖が溶け消えていた。
アイリスは無意識のうちに、ルイスにすがるように彼のシャツをつかんでいた。
ルイスの詠唱とともに、ふたりの足元から黄金の籠が編み上げられていく。
花の輪郭をなぞるように美しく、しめやかな光の軌跡だった。
ルイスの結界は、外界を完全に遮断した。
暖炉の薪が爆ぜる音も、室内の匂いも、夜の寒ささえ、ルイスはアイリスから奪った。
腰のリボンがほどかれる。
首すじに口づけられながら、ワンピースが肩から落とされた。
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