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ここは妖精の国、アイリス。
穏やかな気候で1年を通して色とりどりの花が咲き誇る、美しく平和な国。
火・水・木・金・土の5つの属性の種族と、王族である太陽族が住み、その中でも金属性の種族だけはたまごから生まれてくる。
さらに、模様のあるたまごからは女性しか生まれず、その模様が美しければ美しいほど生まれる妖精も美しいという。
このたまごは、エメラルドグリーンの小さな湖の畔にある1番大きな木の下に、ある日突然現れる。
最近現れたたまごはとても美しい模様で、キラキラと輝いていた。
太陽族の兄弟である2人の王子は、そろそろ結婚適齢期。
模様のあるたまごが現れたという話を聞き、どちらが生まれてくる女性と結婚するか、日々言い争っていた。
太陽が2人の感情に左右され、強い日照りが何日も続いたかと思えば、日の光が届かない暗闇が広がり激しい雷雨に見舞われたりと、アイリス国内全体が混乱している。
そんな状態が半月ほど続いたころ、あのたまごが孵りそうだという知らせが届いた。
王族と金属性の種族全員が見守る中、ついにたまごから美しい妖精が生まれた。
しかもアイリス国始まって以来の双子の妖精だ。
2人の王子は言い争いなどなかったかのように手を取り合い喜び、先に生まれたほうを兄が、後に生まれたほうを弟が迎えることとなった。
アイリス国全体が祝福ムードに包まれ、元の穏やかさを取り戻した。
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