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それ以降、咲夜の能力は失われたようで、願いが真実になることはなかった。というより何も願わなくなったという方が正しいかもしれない。
咲夜は自分も燐と同じように元々人間ではない存在であったなら、木が焼けてしまった後も再会できるのではないかと思ったが、違っていた。
ある夜、丑三つ時に、どこの誰とも分からない女が桜の木の下に赤ん坊を置いていくのを村人が目撃し、朝になっても泣いているのを見て、夢ではなかったと気づき村長に相談したのだという。赤ん坊が包まれていた布に"咲夜"と書かれていたそうだ。火事から何とか逃れた村人が、そう教えてくれた。
咲夜は燐を待ち、一人で歳を重ね、寿命を迎え、人生を終えた。そして美しい桜に誓って自分自身にかけた呪いに縛られ、今度は朔次郎として華美村に生まれ、生活していたのだ。
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