月のこども1

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月のこども1

「うあー、疲れた!子供の体力って、無限だなあ…」  私、筒井紗理那は、独り暮らしをしているマンションに帰宅をすると、夕飯にとコンビニで購入してきたパスタをフォークでくるくると巻きながら、左手に掴んでいたビールの缶に口をつける。  今日は水曜日で、バイトのある日だったのだ。  一体何があったのか、と是非とも聞いて欲しい。  何が、何がって、「体操」の方は、多少のごたごたはあったにはあったけれど、些末なことだった。  そりゃあ、文句、いや、意見かな、とにかく自分の気持ちを言った子と、言われた子にとってはオオゴトだったかもしれないけれど。  ドッヂボールを、小学生の1年生~6年生の子たちで、5人対5人に別れて行ったのだが、「今のはボールがぶつかっていたから、外の役割にまわるべきだ」と主張する子と、「あたってないもん!」と主張する子で、ちょっとした言い合いになったのだ。
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