満開の桜の下にはシトリン

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「確かに…じゃあ、あの子が私達を助けてくれたのかな」 「うん、そうじゃないかな。ずっとここで見守ってくれていたんだよ」  私は改めて桜を見上げる。どうして私なんかを助けてくれたんだろう。晴美(はるみ)なら助けようと思ったのはわかる。だって、優しいし、明るい子で不思議と助けたくなるような子だから。それに比べてあの時の私は動物みたいだった。とてもじゃないけど、助けたいなんて自分なら思えない。なのにあの子は助けた。私は食い入るように桜を見つめていたとき、あることに気が付いた。そういえば、桜というものは咲かない年なんてない。毎年毎年必ず美麗な花を咲かせている。何故咲かすことが出来るのだろう。日光の日差しが降りそそぐ暑つい夏にくたばることもなく、雪が容赦なく降り積る寒い冬の季節を乗り越えている。私ならすぐに咲かすことを断念するのに、桜は絶対にしない。  あれ………これ……あの時に似てる……!晴美(はるみ)が自己中な私の隣にずっといてくれた時に。あの子もまた同じように支えてくれたんだ。そこまで彼女達が私のことを見ていてくれたのは、私のことを正そうとしていたから。あの時、郊外学習で二人で喧嘩した時、晴美(はるみ)は「自分のことだけじゃなくて、周りのことを見れるようになると(えみ)は人気者になれると思う」そう言っていた。あの子もこういうきっかけを与えてくれたおかげで自分は変われた。晴美(はるみ)もあの子も不撓不屈()の心の持ち主だ。どんな困難にも負
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