寸劇「バレンタイン」

第三場

(桃華、唯、優が話している。)
桃華　　き、緊張してきた…。
優　　　だだだだ、大丈夫だよ。
唯　　　なんで、あんたも緊張してるの？
優　　　ええー、唯は緊張しないの？
唯　　　うん。だって桃華なら大丈夫だもん。
優　　　でも、南山くんはチョコを受け取ってくれないって噂があるよ。
唯　　　噂でしょ？さあ私たちは隠れましょ？
(唯と優は自動販売機の影にへ)
桃華　　(溜息)
(琥太郎、入場)
琥太郎　あれ、喜多川？
桃華　　あ、な、南山くん。
琥太郎　ど、どうした？
桃華　　じ、実は…。これを受け取って欲しいです。
琥太郎　え。…。ごめん、それはもらえない…。
桃華　　…！(チョコを放り出して走り出す)
琥太郎　喜多川！
(唯と優は姿を現す)
唯　　　南山くん、それはひどいでしょ！
優　　　そうですよ、喜多川さんはこの日のために一生懸命チョコを作ってたんですよ。
唯　　　そうだよ！それを受け取らないなんて…。最低だよ！
琥太郎　…。
勇人　　ちょっと待った！
(勇人、入場)
勇人　　琥太郎くんは悪くない！
優　　　お兄ちゃん！？
唯　　　勇人、こいつは人が頑張って作ったチョコを受け取らないやつなんだよ。
勇人　　だって、琥太郎はチョコアレルギーだからだ！
唯　　　本当にそんなのあるの？
勇人　　ああ本当さ。
優　　　でもどうしよう…。きっと喜多川さんはフラれたって思ってますよ。
勇人　　…。それならいい考えがある。