もちもちキャベ玉と4月のセンチ

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こんなとき、おばあたんがいたならきっと 皿など洗わずに猫と遊んでいたのだ それで焦がしそうになって慌てて手を洗ってフライ返しを取り出す。 構われなくなってつまらないおばあたんが文句の声を上げる その声が面白くて可愛くて、幸せな気持ちになるのだ だから私は寂しくなることなんてなかった。 いつもそこにおばあたんがいたから。 ばかでかい溜息と同時に洗い物を終え 冷蔵庫に再び手をかける。あれがあったはず これまたほんの少しになってしまったピザ用チーズ 火加減は4 お気持ち程度にぱらぱらかけ少し溶けるのを待ってから フライパンの中身を返す 程よい焦げ目のまあるい黄色 「ホットケーキみたい…」 思わずつぶやいたが賛同の声はない
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