生きている限り

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そして施設に入った後も何度か会いに行ったが、高校を卒業して離れた場所で一人暮らしをしていたため、年に何度か帰省した時に1度逢いに行く程度になった。 元々頻繁に面会に言っていた訳では無いけれど、確実に頻度は減っていた。 そしてここ2年、1度も会っていなかった。 私から会いに行くと言うこともなかったし、母から行こうという提案もなかったので何となく行かなくなっていた。 そして久しぶりに会った祖母は、びっくりする程やせ細り冷たくなっていた。 誰かわからないほど痩せていた。 涙が止まらなかった。 ひとしきり泣いて、お線香を上げて、ぼーっと顔を見ながら座って。 胸元が上下しているように見えた。 まだ生きているように見えた。 でも、今まで動いていたんだと不思議に思う気持ちも出てきてなんとも言えなかった。
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