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―
... カチャ!
… パタン!
社長室には高井と佐藤の
ふたりだけになった …
「 … マリンを
動かしたのか ? 」
「 … … 」
こんなに先走る高井に
佐藤は戸惑いながらもむりやり
頭を動かし …
… これに返事をすると
… どちらにしても
マリンが動いたことを
認めてしまうことになる …
だから佐藤は無言で無表情 …
「 … まぁ
いい … 」
髙井も 回転の速い …
そんな佐藤が分かるからこれにはもう
追及はしない …
「 … おまえを
出向に出したのは
なぜだ … 」
佐藤の話だけにするように
高井はそういうと …
手元のブザーを鳴らし …
―
… プ‼ ップー!
「 … っち!
うるせいなー!」
… ブ ォ--------ン!!
… ぁ … 俺 か …
なにやってんだ 俺 …
… 茉由の方向いてるのに だろ …
なのにだ …
そんなに ?…
俺は …
マリンを …
捲き込み過ぎた … か …
しかも … だ …
みっともなくヤツにヤラレて …
結果 … が … これだ …
信号待ちで …
ぼぉ ~ ッ と していた佐藤は
どこを見ていたのか …
だから急に?
後ろからクラクションを鳴らされ …
それでも …
ゆっくり車を動かすと …
ふと … 懲りずに?
それも危なげなのに?
また …
正面から目を逸らして …
「 … ん? 」
すると …
そんな道端の派手な幟が目立つ
宝くじ売り場が目に入り …
… カチャ
佐藤は …
ゆっくりスピードをおとすと …
… カッタン!
… パタン
… ピピ!
… 運よく見つけられた
小さな空きスペースの平置きの
コインパーキングに車をとめて …
… トボトボトボ
… トボトボトボ
…" パタパタパタパタっ!”…
… そんなに激しく?
風に揺れ続ける その派手な幟に
導かれるように …
自分の慣れているはずの大きなカラダで
なのに …
ノソノソと …
重たそうにゆっくりと歩き …
その宝くじ売り場に
と … なぜかまっすぐに向かった?…
「 … どうせ … もう …
やることだって な …
ないしな … 」
… トボトボトボ
「 ぁ …
くじを下さい … 」
「 イラッシャイマセ!
くじには種類が
御座いますが? 」
「 あ … すぐ?
判るやつって
あるんですか? 」
「 はい!
スクラッチとか
ですか? 」
「 あ?…
それで良いです …
じゃ … ひとつ
ください … 」
「 はい!
スクラッチくじ1枚
300円で御座います 」
… ガサゴゾ
… コトッ!
… パラパラパラッ …
「 … ではこれで … 」
「 ありがとうございます!
当たりますように~!」
…ぇ?
「 あ … 」
… " 当たりますように ” か …
… 片手を突っ込み …
ズボンポケットから小銭を取り出し …
… パラパラと …
カルトンへ出した小銭で
とりあえず宝くじを手に入れた
佐藤は …
また … 歩いてきた方へ
…トボトボトボ と
もどった の だが …
… ふっ … どうせ … だろ …
っ ? … ぃや …
… さぁ … どうかな …
だって だ …
… 当たりますように … ってな …
… 謂ってたもんなぁ ~ …
ふっ …
なぁ?… そう思ったら ? …
これはたった"1枚 " … でも?
くくっ!… どうに ~ かぁ~?
なぁ … なるのかぁ~?…
… そう謂われた佐藤は
宝くじを買うのが初めてだったから …
それが …
窓口対応の挨拶だともしらないで? …
… もう歩き出したのに律儀に?
振り返ると窓口の方へ軽く会釈して …
また ポケットに手を突っ込むと …
… ガサゴゾ
… 指に … あたった …
10円硬貨で …
一緒にポケットから出した
硬めの 名刺入れの 上に
その宝くじをのせると …
その場ですぐにその箇所を削って …
けれど …
その結果の見方も?知らないので …
「 ぁ …
そうか … 」
… トボトボトボ
その姿 … 大きなカラダなのに …
もうずいぶんと分別ある大人なのに?
なのに …
だからよく視さえすれば
初めてだって …
そのくじにだって 試し方も 結果の
見方も記してあるのに?…
そんなものを見る気もないのか …
… だから?
佐藤は 再び のそのそ?
ぷらぷら ~ … と!
また 宝くじ売り場に戻って …
でも … それじゃぁ …
随分と暇そうな? 時間がある様な …
だって …
まだこの時間 …
普通?なら?
佐藤だって勤め人で!
だから!
働いてる時間なのに?
そうまだ …
あの会社の社員なのに?
… なのに!
もう … すでに?
やる事もないから
こうしてます な?…
で …
それじゃぁ?傍から見ても?
それに!
こんなに大きなカラダでも目立つし …
今さっきだって …
本社から出てきたのだから まだ …
ビジネススーツ姿だし … だから …
そんな雰囲気も出てしまってるのに?
… にゅぅ~
「 スミマセン …
これ … 」
佐藤がそれでも困り顔で …
くじを窓口に差し出したのか?
なので?
その窓口の女性は優しく …
「 … はい!
お調べしますね!
そうです … ネ …
ぁ … ちゃんと
削ってあるので …
… 大丈夫ですよ!
では! 機械で
お調べいたします!」
… カチャ!
… ピ~ピ~ピ~ !! …
「 … はい!
おめでとうございます!
1万円当たっておりました!
こちらは今!お支払いで
よろしいですか?」
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