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確かにマリンは …
高井にも真っすぐに …
―
急にワザワザ …
自分のフロアから出て …
直接
営業本部のTOPのところにまで
来たのは?
よほどの事があったのだろうか …
高井は何かを感じ …
暫く… 外を眺めながら …
それに考えを及ばせているようだ …
そして …
「 マリン君
チョッと … 」
高井は自分のデスクから離れ …
下のフロア …
の 研修会場を訪れると …
中までは進まず …
入り口近くでマリンを呼び出した …
その場には他の者たちも居る
「 … … 」
その中に居る …
茉由は高井の様子を目で追う …
「 はい … 」
マリンは席を立ち通路に出た
高井は …
マリンとどこかに行こうとしたが
すぐに立ち止まり …
ここに残された者達に向かい声をかける
「 先ほどマリンから
話があると云われた …
上の会議室で話を聞くので
席を離れる
時間は … 20分ほどだ
良いなマリン?俺は
そのくらいの時間しか
とれないからな
話は短くしろ 」
「 … はい
承知致しました 」
高井はマリンと茉由を納得させる …
「 … はい 」
茉由は了承し …
「 いってらっしゃいませ 」
「 いってらっしゃいませ 」
「 いってらっしゃいませ 」
「 いってらっしゃいませ 」
皆は声掛けをし …
「よろしくお願い致します」
マリンも皆に挨拶をして高井の後に
ついていった
茉由は …
その二人の後姿までを確認したが?
マリンの上司として同席は望まなかった
自分は …
必要がないから高井に呼ばれなかった
の
だと …
二人は一緒にエレベータで上へあがり
会議室に入った
この会議室は営業本部の上のフロア …
本社の最上階にある小会議室
高井が よほどの話を
する 会議室だった …
高井は奥に進みゆっくりと席に着く
マリンはドア近くに立っていたが
その様子を確かめると自分も腰かけた
その席は高井とは向かい合っている
この二人の距離は …
ここは …
20名ほどが入れる小会議室なので
大きくはないがこの二人の距離は
それほど近くもない …
「 … 話とは?」
高井は時間を気にしたのか
すぐにマリンに尋ねた
マリンは一瞬口を閉じたが やはり …
ためらいながらも 自分の思い の
そのキツすぎる言葉を口にした …
「 いえ … あっ ですが …
失礼ながら 茉由さん
を見ていると 少し ... 」
「 … おかしい … か?」
高井の突っ込みは早い …
「 … … 」
「 … いいから
言ってみろ … 」
高井は意外にも
穏やかな笑みを …
マリンに魅せた …
「 恐れ入ります 先日 …
茉由さんから亜弥さんを
紹介されまして …
私も …
亜弥さんはとても素敵な
方だと思いました …
ですが 茉由さんは!
そんな亜弥さんを GMの
奥様だと私に紹介したのに
ご自分は仕事が終わると
GMとご一緒に …」
「 … そうだな 」
高井は 右の眉を上げた …
それ程 …
マリンのこの話は随分と耳障りで …
けれど …
上司である自分にも関わる事を?
まだ …
入社5年目の者
こんな小娘が …
意見しているのに
なのに?
高井は …
表情を変えないし 云われた事にも
否定もしない で …
そのまま マリンに喋らせる …
「 私は そんな人の事 …
理解できません … 」
マリンは …
茉由のことを言ったはずなのに
表情を変えて 無礼にも営業トップ!
GMの高井を 少し 睨みつける …
「 … フッ 」
高井は 腰かけたまま動かない …
そんなマリンに 動じる事もなく …
ふてぶてしくも腕組みをして胸を張り
上司の威厳を魅せるように?上半身を
反らせ …
ワザワザ キメのポーズまでだし …
その 顎を上げ …
眼を細めて …
マリンを視る …
高井は … 再び右眉を上げ …
「 今のままでは
働けないと? 」
マリンのことを上から目線の …
で … 探る …
「 … はい 」
それでもマリンはひかない
「 … … 」
―
これで結局は …
マリンは研修会場から
異動になった訳で …
でも 高井もそんなに簡単でも
ない か ら …
このときの落としどころとしては …
―
高井はこのまま 目の前のマリンに
上司としての態度をとる …
「 ... 分かった では …
君 に は …
接客の仕事についてもらう
ただし!暫くは兼務として
今の仕事もしてもらう … 」
「 … はい 」
マリンは何も訊き返さずに肯く
「 君には …
グループの管理会社に
出向してもらう
仕事内容は …
『マンションコンシェルジュ』だ
できるか?」
「 はい
… 研修会場では
マンションコンシェ
の !方々の 研修も
行っておりますので … 」
「 あぁそうだったな …
物件ごとのサービス内容には
違いがあるが … 君なら
すぐに覚えられそうだしな …
それに君には
『エリアサポーター』として
活躍してほしいんだ 」
「 はい? いろいろな?
物件に入るんですね … 」
「 あぁ … 」
高井は …
マリンの気の済むように 興味のあり
そうな仕事を与えた けれど …
マリンの?
ことを考えた だけ では ない …
これには これだけではない …
その管理会社にすでに出向させた
佐藤の動向をさぐらせる …
つもり …
と の
高井の思惑があったからで …
「 それと … もう一つ
あっちに行ってからも
営業本部にとって 重要な
仕事を頼みたい … 」
「 はい?
営業本部にとって
ですか … 」
「 あぁ … 君には
営業本部の人間として
往ってほしい だから
君だけの …
仕事を用意する … 」
「 … … 」
マリンはキョトンとしたが …
高井は …
マリンがしばらくの間は まだ 本社
に居るのだから ここでは 含ませた
謂い方 しか しない
「 では …
あとで詳しい内容を伝える
もう そろそろ …
仕事に戻りなさい それと
暫くは 兼務だからな
ここへも来てもらう 」
「 かしこまりました 」
「 あぁ … それと …
君は …
亜弥と対面したと
云ったが … 」
「 はい
ご挨拶だけですが … 」
「 そうか …
君が心配したその亜弥は …
知っている事 … だが な … 」
高井は釘を刺すように?
けれど …
表情はかえずに
淡々と 謂うことを
…「 効かせる 」 …
「 えっ? … そ ぅ …
でしたか … 」
マリンは少し驚いたが 一瞬 考える
様子を見せた後 頭を下げ …
高井をここに残しても 気にする事も
せずに 1人で会議室を出た …
―
なのだが …
これで!
マリンと佐藤が 出遭う事になり …
出向先に居た佐藤は …
本社から来たマリンに
高井の影 を で …
けれど …
その動きに警戒しながらも
高井に通じるのなら と
反対にマリンを利用する事にして …
なので …
そこから …
マリンを 道具としてみる 佐藤 と!
マリンは 一目惚れだった から!
純粋な思いで佐藤に向かうマリン の!
アンバランス な? 関係が できて…
なので …
高井の思惑通りに?
マリンは動かなくなって …
それでも高井は?
もともとがそうだったから?
そのマリンをかっていて?
で?
佐藤はそこまで知らなくても?
―
そうか …
だよな …
今日だって …
まだ … おそらく?
ヤツは …
マリンには 何もしていない
よな …
「 … なら? 今回の事でも …
マリン … は … 無事?
か?… 」
―
そう …
まだ …
佐藤は この日 まだ …
マリンに 連絡を取っていないが …
マリンから も …
佐藤には 連絡が ない の で …
そんな事も?
ふと … 佐藤は思ったのか …
宝くじ売り場の女性には?
大きな背中を魅せた佐藤でも
頭の中は グルグル と …
整理はつかないのか …
同じ言葉を繰り返す …
… そんなマリンなら?
そのタイプは?
何者に対しても?
臆せずに 正々堂々!
逞しく! だろ …
自分に正直に咬みついてくる者として!
ヤツにだって なかなか?
コントロール は 容易くは なくて?
なら?
これからも!
マリンがそのまま!
なら?
ヤツだって?
認めざる を? えないから?
なら!
そんなヤツの下にいても
もっと上に!イケタ!
だ ろう けど …
だ ろ …
フッ …
「 … だよな 」
なのに …
弱気で? 諦めた俺?…
俺は手ぶらで ? ノコノコ と か …
―
… 高井は急に穏やかな表情を魅せた
それは … 不気味で …
「 … 佐藤課長
君は マンションの
管理室の常勤で
管理の仕事をしてもらう
これからは
電車通勤で大丈夫だ … 」
「 … そうですね
そこからは
動かないので
通勤定期で
大丈夫ですね … 」
「 … ぁあ …
管理業務の勉強に
なるな …
資格にもチャレンジ
したらどうだ ? 」
「 … そうですよね 」
「 … は ぁ ? …
それ … は … 」
どんどん進められていく …
芝居じみた … なんだか滑稽な?
やたらと気の合った様を魅せている!
高井と … 秘書課長 … の
そんな 目の前の ふたり に …
ただ傍観していた佐藤が?
息を吐くのを忘れていた事にも
気づき 呼吸がしたくて呟いたが …
「 … なんだ ?
分からないことが
あるのか ?
… 出向先は
変わらない …
" 課長のままだし” な …
" 迷惑をかけたんだ ”
勉強して 少しは
あっちの
役に立ったらどうだ … 」
―
佐藤はこれで …
自分の仕事以外でも?
自由に乗っていた車は …
会社に申請して購入した車だったから
なので それすらも!
その …
自由に動き廻れる車をこの日限りで
おさえられ …
配属も … 替えられ …
出向先の そのまた 出先の
独り部屋に 入れられる …
そうなれば …
佐藤が望んでいた
自分の実力相当の居場所? の!
本社へ戻るどころか!
その 出向先 の 管理会社 の
今まで居た支店からも 遠く …
だから …
これでは …
「 今回は!ダメだったけど …
何てレベルじゃないだろ
これ … 」
結局 … まんまと?
俺を排除したかった
ヤツの思うがまま?
これ … 俺? …
現状よりも更に最悪な状況じゃん …
成れなかった な 今回 …
フッ …
だから これ じゃ …
謂われた通り か? … 駿に…
ぁ ~ あ! ちげーよ!
解ってるから!俺も!
なのに …
自分でも 呆れるよ …
でも!
それでもさぁ!
俺だってさ ! 迷うだろ? …
「 ㇵァ ~ ッ …
遅いってよ!
なぁ駿 ?…
寄ってもらったけどさ
ゼンゼン?
ヤツはやっぱ早いよな
そういうとこ …
ぁ ~ あ! 俺 …
お前に呼び出された時?
なんか?
あの店で 待ってたもんな …
急に お前に逢いたくなって
そんなの … 弱気 … でさ …
だから!その日まで …
お前を 待たない で?
気にせずサッサと動けば?
よかった のに … な …
そんな? … 迷った分? …
か? 俺が負けたの … 」
―
確かに 今回 佐藤は?
動きが … 遅かった かもしれない …
それに …
解っていたのかもしれない …
佐々木がその立場なら? …
このタイミングで?
逢いに来るなんて …
高井に 動かされた はず と …
でも …
高井に謂われる前に …
自信があった訳じゃないから?
だから!
佐々木に …
止めてほしかったのかもしれない …
佐藤は … もう
ヤル つもり は?
なかったから …
―
佐藤の同期で …
いまはもう佐藤の上司になっている
高井の後についた GM佐々木は …
あの日 …
佐藤のためには …
一緒のマリンのためには … と …
『 … だな …
オマ エ …
そのマリンの
「 責 任 」とれん
のか ? … 』
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