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「 責任 ? 」
「 ぁあ …
高井社長を
怒らせるだろ …
絶対勝てないと
大変なことになる
オマエだけじゃ …
なくマリンも … 」
「 ぁあ …
絶対に勝てないと
か … 」
「 そうだろ … 」
「 … ん … 」
「 勝てるのか ? 」
「 … … 」
『 ゼッタイに
だぞ ! 』
佐々木はこの日 …
一番 大きな声を出した
これは …
佐藤をツブスためじゃなく
応援するためだったが …
「 … … 」
「 もし …
オマエが絶対の
自信がないのなら … 」
「 … ないな … 」
「 ない ? 」
「 ぁあ …
すべて憶測 …
なにも実際には
見ていないし …
協力者もいない し … 」
「 ぁあ … そうだな …
高井社長は いま
勢いがあるし
それに逆らう者なんて
だろ …
それに 白紙委任状は
日付が入っていても …
後でも使える それは
その時のじゃなく
ほかの時のだと …
アノ事とは関係ないと
謂われれば
言い返せない … 」
「 … そうだな
だから …
知っていたとは …
決めつけられない 」
「 一か八かじゃ …
アイツには勝てない
だろ … 」
「 やめた方が良い … 」
「 オマエが
ヤラレル … 」
「 俺だけなら
いいさ … 」
「 … でも
… だろ … 」
「 ぁあ … 」
「 … オレは …
オマエが それを
出さなければ …
なにもなかったと
髙井社長に報告する … 」
「 ぁあ …
… それでマリンも …
捲き込まない
事になるな … 」
佐々木は佐藤の顔を覗き込み
その表情をちゃんと確認する …
「 … そうだ
… ぞ … 」
「 … ん … 」
―
そう …
こんな自分にさえ
関わらなければ …
… と
佐藤は納得できない今回の件は …
らしくない たられば …
ばかり繰り返すし …
同時に?
何度も頭の中に!
走馬灯の様に?
いろいろな者の顔?
場面が出てくるから …
いまも …
佐藤の頭の中は …
グルグル と していて …
「 ん? くそ …
腹減ってるのか俺 …
腰かけててもクラクラする … 」
佐藤はいま車の中 …
なので外は見えいても空気も動かず …
閉ざされた空間で
音楽もかけずに 無音 …
ただひとり で 静かにしている
だ け なのに …
それでも …
もう どこにも?
行くところに 困っている …
戻る訳にも いかず …
自分は? …
と …
佐藤は …
高井に追い出されてからずっと!
出向先に出勤しながらも
その 遠くから でも静かに …
だから! 一番ありえない!
同期ではない
高井側のマリンを使って!と!
それは!
高井に気づかれない様に!
高井を堕とすタメの
情報収集を行い …
たい からで …
―
「 知らないうちに …」
で …
賢いマリンは
佐藤の思いを汲み取る …
―
「 社長 御就任
オメデトウゴザイマス 」
マリンは …
ちゃんと調べた 高井の好きな?
白いカサブランカとピンクデンファレの
花のバスケットを 高井の デスクへ …
そして …
爽やかな笑顔 を 魅せ た …
高井は …
このとき まだ?
佐藤とマリンが付き合っていることを
知らない …
「 … あぁ … 」
マリンは …
すかさず高井の様子を 探り …
愛想笑いもない 忙しそうな高井に
気を使い ? いきなり本題に入る …
「 社長 ?
私 そろそろ … 」
社長室の中 大きな社長の デスク前に
立ったマリンは …
こう呟きながら
ワザとカラダを大きく揺らし
広い社長室の 中を 見渡した …
「 … そろそろ ? か … 」
高井は …
自分が警戒している?
佐藤の事を直接伝えずに …
マリンに は 管理会社の様子を探る
ように と 出向に出していたのだが
このところ …
本社での 流れが速くなった
御家騒動のデキゴトに集中し
すっかり …
マリンを放っておいたことに気づいた …
「 … そうだな
あっちは大丈夫か ?」
マリンはスグに終わらせる
!「 はい つつがなく … 」
けれど …
マリンは本当の事を云っている …
本社とは違い …
管理会社では何も起こってはいないし …
業務も ちゃんと 行われているから …
… 本社での 事 は
私は知らなかったけど …
マリンは …
高井の方 を
真っすぐに見つめ直した …
高井は …
「 いつ本社へ戻してくれるの ? 」と
催促されたように感じた …
自分が
「 特別な任務 」を謂いつけ
マリンをグループ会社へ出したのに
本社でのデキゴトを
マリンに話さなかったのは
少し悪かったとも思った? …
「 … それは
良かった … 」
そんな高井は …
すっかり 佐藤の事も
マリンの事も忘れていたのを …
少し考えて …
「 … そう
だったな … 」
それでも …
このマリンを もとの担当部署 …
… 茉由が …
責任者の研修会場には 戻せ
ない …
ならば と?
高井は …
「 解った 君は
俺の 許 …
ここで秘書をしてもらう 」
… yes ! …
… 課長 ! 私 やりましたよ!…
マリンは 口元が緩んだのを 高井に
気づかれないように頭を深く下げた …
「 … はい 必ず
お役に立ちますよう努めます 」
「 … あぁ … 」
高井は返事の速いマリンに
僅かに「 ⁉ 」
なにか感じたものがあったようで …
マリンの貌を …
その表情を確かめたが …
マリンは その高井に
とても美しく 澄んだ
爽やかな 笑顔を作って
魅せた …
なので 高井は …
マリンが自分の処へ戻った時に
佐藤のことに何も触れなかったことを
「 不自然 」に も 思えた …
マリンには
佐藤のことをなにも 話しては …
いなかったのに?
同じ本社 同じ部署から
出向した佐藤のことに?
なにも ? 触れないマリン? は …
… おかしいよな …
ぁあ … それに …
… 俺の許から
出向してきたマリンを
ヤツはそのままにしないよな …
ならば …
このまだ バタバタのタイミングで?
動いた マリンは …
もしかしたら … と …
「 … まぁな …
これも …
また …
ヤツ次第だな … 」
高井は本社最上階の社長室
その窓から
都会のビルの頭を眺めた …
そして
「 おい ! 」
高井は秘書課長を呼んで …
「 シバラク営業本部の主任
マリンを
俺の傍に置くことにした
おまえは 常に
シッカリと ミ・テ・ やれ 」
!「 承知致しました ... 」
―
こんな高井は …
どの者から見ても
やはり勢いはあるし
恐ろしい …
その姿 …
狼に その様子が近く …
その野生の 狼は …
「 一匹狼 」
との言葉で使われることが
あるくらい …
それは …
この男の 普段の様子
「 他の者を たやすく
近くには 寄せつけない 」
と …
周囲の者からもそう思われ
本社でも 距離を置く者が多い中 …
どうやらこの男には
それだけではない面もあるようで …
この会社で起こった
「 お家騒動 」が落ち着いてくると
高井の周りには …
そんな高井に従い
守る者も で …
それは …
野生の狼は
群れも作り …
その者たちも それぞれに
縄張りを持っているらしく …
この高井にも それは
もう シッカリとできていて …
なので この本社の中にも ...
―
これ …
そうだよな …
だけど 俺 …
先走ってもいないし …
でもな … そうなんだ …
これ事体が …
これじゃぁ … って …
上手くいくはずもない のに な …
って … だろ …
やっぱ …
―
そう佐藤は …
愚痴りたく … かもしれないけど …
でも!
これは …
上手くいくはず なかった?
そう …
なにせ その相手が
こんな高井だったから …
佐藤は …
ほかの者ならともかく?
高井だったから?
な い かもしれない …
と? 考えた の かもしれない …
でも そう かもしれない …
なんせ その高井だって!
似た様な? 事を!
する?
した 男で …
今は …
社長にまでなった高井も …
GMになった ときも!
亜弥を使って!
社長になった ときも!
ミオンを使って! と!
都度!
自分は離れた処に居ながら!
秘密裏にカノジョらを
静かに 動かせて 事を 探り …
その期を待って で の
事 を 起こしている の だから …
その高井に?
佐藤が考えたこの手は?
使うべきではなかったのかもしれない …
だから?
高井にだって …
その切り札を突きつける前に
気づかれ …
逆に 早々に?
味方のハズな
佐藤の同期の佐々木まで!
高井のモノ だと
知らしめるタメに!
ひとつの駒 の 様に?
動かされ …
―
「 お前には
佐藤を呼べと
云ったんだが ? 」
「 はい … ですが
私は
佐藤の上司です
処分 ? するなら、
その理由を
お聞かせください 」
「 お前は 見つけ
られなかっただろ 」
「 見つけ? … 」
「 お前には
本部長にする時に
云ったはずだが …
もう 同期との
おてて繋いでの
仲良しゴッコ が!
できなくなるが と … 」
「 ぅ !
です … が … 」
佐々木は言葉に詰まる
高井の眼は鋭くなる …
―
なんて … 酷な …
そんな事 まで されて …
だから! これで …
「 自分の孤立 」しっかりと!
佐藤は 解らされて …
もう そんななら?…
完全に見透かされてて!
の … なす術もなく …
けど …
マリンや … 佐々木まで動いたんなら …
逃げるわけにもいかないし …
の … まったくな 惨敗で …
だから
この状況 …
サスガに 大きなカラダでも
耐えられない程 の 結末 で …
後悔の思い …
とてつもなく大きく …
なら … もう …
らしくない 放心状態で …
フラフラな …
それでも?
マリンの そんな も …
佐藤には 申し訳 …
なさすぎるから …
この …
ふいに掴んだ「 幸運 」で?
変えられる なら …
と?
もうこんな佐藤では … それ?
くらい しか ない し …
力なく… でも … だから …
なんと なく でも? …
責任の自覚?
その気持ち だけ は あるから!
だから!
どうにか して やりたい から!
この 「 運 」 に 期待して?…
" 当たり!” の ついた!
こんな 1万円を! なんだか無性に
マリンのタメに使いたくなった …
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