可南子の桜

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 可南子が中学にあがったばかりのとき、里の青年団の人から祖母が地域の病院に救急搬送されたと連絡が入った。  いつもの会合に出てこない祖母を心配して家を訪問したときに、部屋で倒れている祖母を発見したとのこと。  両親と可南子が地域の病院に駆けつけたときには集中治療室に入っており、面会することはできなかった。  「脳出血です」  「発見がもう少し遅ければ助からなかった」  「おそらく後遺症は残るであろう」      可南子の耳にそんな言葉が届いていた。  涙がこぼれてきた。  でも、ただただ、生きててくれて良かったと心の底から思った。  3週間後、容態が安定してきたので集中治療室から一般病棟に移った。    しかし、体の右半身に麻痺と言語障害が残っていたため、両親と可南子が住む都市の病院に転院してリハビリを行うこととなった。
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