3か月ぶりの夜

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3か月ぶりの夜

ほんのりと頬を染める乙哉、もう我慢の限界だ。 この日をどれほど待っただろう、ホテルで過ごす時間眠るまでのわずかな時間が何度疎ましく思っただろう。 電話で声を聴けば逢いたくなる、我慢できなくなるのがわかっている、だからこそ電話もメールも我慢してきた。 触れ合った肌のぬくもりが、泣きたくなるほど切なく愛しい。 「乙哉逢いたかった」 泣きそうな顔でうなずく乙哉、同じ気持ちが伝わってくる。 「俺も………もう一人にするな」 「わかってる、もう絶対こんなことしない」 「祐月………」 乙哉の唇にそっと口づける、何度も何度もその唇に触れた。 薄くあいた唇の間から、舌を差し込み乙哉の舌を探す。 口の中で舌が絡み合いお互いの舌を求め合う、乙哉の舌を痛いほど吸って甘噛みすれば、乙哉が喉の奥で呻きを上げる。 流れ出す唾液を舌ですくい、唇を吸いながら優しく噛んだ。 上下の唇をしゃぶり、滑り込ませた舌で乙哉の舌を絡め捕り、引き抜かんばかりに吸い上げる。 閉じた瞼から一筋の涙が頬を伝って流れ落ちた。 「祐月…我慢できない」 「今夜は何度だって抱いてやる、乙哉が嫌だって言っても抱くから」 ベッドに四つん這いになった乙哉にのしかかり、シャツを脱がしズボンを下着事引きずりおろす。 いつもよりずっと乱暴で煽情的な行為に自分自身の気持ちが高ぶっていく。 首筋に顔を埋め牙を立てるように、噛みついた………痛みと快感に震える乙哉。 「………っ」 剥き出しの尻を撫で、久しぶりの後孔を探る、ローションを手に取り指先でくすぐるように撫でた。 小さくしまった孔をゆっくりとほぐす、すこしづつやわらかくなっていくのがわかった。 緊張で力が入った下半身が、その場所だけ緩み始める。 シーツを手繰り寄せ、握り締める乙哉が小さく息を吐く。 指の先が入り込み、内に触れると乙哉の背中がしなる。 少しづつ中へ入れた指を揺らしながらさらに奥へと進む、左右に揺らしながら動かすと後孔が広がり始める。 乙哉の身体を反転させ熱を持ち始めた下半身を刺激する、どくどくと脈打ちながら透明な蜜を流し始めた。 後孔の指を抜き、勃起した自分自身を孔にあてがう、乙哉の口から淫らな吐息が漏れ、低い呻きが聞こえてくる。 昂った性器を乙哉の体内に埋め込むように押し付け、さらに奥へと侵入させる。 膝が胸につくほど脚を上げ、正面から乙哉を貫く………愛する人を抱きしめ身体の奥に熱い飛沫を飛ばした。 「祐月………っ………愛してる」 「やっと………抱けた………乙哉………俺も愛してる」 中に埋めたまま理性を吹き飛ばし、激しく攻め立てる。 全身の細胞すべてでお互いを感じる、愛し合える喜びに身も心も溺れ、2度目の極みに向かって駆け上がる。 乙哉の白い身体がかつてない快感に大きく反り返る。 これほど荒々しい交わりはかつてなかった、深まった愛のせいか長い渇望のせいか……… 全身で感じ切った乙哉がうっとりと息を吐く、口内を貪り頬や額に口づける。 乙哉が背中に回した手に力を込める………身体が繋がったまま新たな熱が生まれてくる。
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