君だから

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君だから

何があってもやっぱり彼がいいこの先の未来、仕事が大事だと何度言われようとも、仕事が終われば自分のもとへ帰ってきてくれるならそれでいい。 彼にとっても自分にとっても唯一無二の存在、側に居られない日が続いても心の中で思い続け逢える日を待つ。 アイドルで俳優で芸能人で、みんなの憧れの存在の恋人。 それでも自分だけを見て、自分だけのために愛を囁いてくれる時間があればすべてを我慢してでも、待っていられる。 彼にとって癒しの空間と心許せる存在が自分なら、嬉しい。 彼に逢ったあの雨の日が、きっと自分にとっても彼にとっても運命の日だった。 あの日があったから、今こうして幸せを感じられる。 永遠に甘い時間だけが続くわけではないけど、彼が自分の中から消えることも彼の中から自分が居なくなることもないだろう。 彼には自分が必要で自分も彼が必要だ、それは決して変わらない。 「乙哉!お腹すいた」 「待ってて、もうすぐ出来上がる」 「乙哉のご飯じゃなきゃ食べたくないんだ。乙哉の作ったものしか食べない」 「俺が居なくなったらどうするんだ」 「その時は俺は死ぬ、だから乙哉ずっと俺のそばにいてくれなきゃ」 「わかってるよ、みんなのアイドルを死なせるわけにはいかないからね。ずっとそばにいるよ」 「乙哉のバカ、俺はみんなものじゃなくてお前のものなの」 「そういってくれると嬉しい」 「乙哉は俺だけのものだろ、俺だって乙哉だけのものに決まってるじゃん」 二人の気持ちが繋がって、いつかこの身体が別々に召されるまで君のそばに俺はい続ける。 「祐月!仕事しっかりな」 「お前のために頑張ってくるね」 昨夜の紅い痕跡にそっと手を置いた。 おしまい。
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