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「タク、名前」
「ん、ン、は、はぁっ」
突かれ続けて、先輩が何か言っているのがかろうじて認識できただけの俺はただ声を零す。
もう自分がどうなっているのかもわからなくて、今まで感じたことのない圧倒的な支配に翻弄されていた。
先輩の肩に掴まっていることさえ難しくなってきて、滑り落ちた手はシーツを掴む。
少しスピードを落とした先輩はそれでも腰を止めることはなく、トントンと一定のリズムで俺の弱い部分を突いてきた。
「拓翔、ほら、名前……呼んで」
攻めが緩くなったことでやっとその甘い囁きを理解する。
「健、太……」
俺は先輩の名前を呼んでゆっくり手を伸ばした。
だが、呼んだ瞬間にまた律動を再開されて、伸ばした手は空を切る。
すぐに声はまた喘ぎへと変えられてしまった。しかも、
「ダメっ、も……イくっ!!」
グッと堪えるのにそれでも動きはどんどん激しさを増す。
「あとちょっと待てよ。一緒に……」
「ん、あァーーーっ!!」
何とか先輩の声は聞いていたのに耐えられずに白濁を飛ばしてしまった。
「一緒にって言ってんのに」
「……すいま、せん」
「ヤだね」
先輩が弱いところばかりを攻めるからなのに、俺の膝裏を押して更に伸し掛かってきた先輩は目を細めて腰を引く。
ズルズルと引き抜かれるその感覚は言い表しようもない。
背筋が粟立って、達した直後で敏感な身体には抗いようもない快感を予感させた。
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