第1話【魂の選定】

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数十分後…二条は先輩たちと共に…曲合わせの練習に参加していた。ちなみに二条のパートはボイスパーカッションとサブボーカルであり…基本的に歌い出しの1番低いところ以外は…ボイパに専念している。 ちなみにワンダイレクションの「What Makes You Beautiful」という曲を二条の声で担当できるパートは2箇所だけである。歌い出しの1番低いところと…最後のサビに入る前の「Na−na−na」から「You don't know you're beautiful」という部分迄である。 それ以外の部分に二条の声を吹き込むと…曲全体が低くなり過ぎてしまい…誰かがカバーしているワンダイレクションになってしまう。その為…二条は曲の雰囲気を崩さない低い所しか歌わせてもらえない。というよりそこ以外は歌えない。のである。 二条は気怠そうな顔をして練習しながら…1つのこと考えていた。数年前の事である…滋賀市内の高校に通っていた二条達也は実家がある…京都の駅前でのんびり歩いていた。 京都駅では…稀にブラスバンド部の演奏や…盛大な催しが行われる事があり…二条は時たまそういうものを鑑賞していた。彼らの輝く姿を見ながら…心の奥底にあったものを堪えながら…ジッと見詰めながら暗い暗い湖の中に沈み込んでいた。 そんな彼に優しく話し掛けて来てくれたのが同じ高校に通う…「道端」という名の女生徒で…高校生の二条はその笑顔にただ癒やされていた。不意に道端が「二条くん何してるの?」と声をかけるので振り返った二条は道端に話し掛ける 二条達也「何って?何でもないよっ(汗)!!!?」 二条達也「ちょっと…駅前に用があったから来ただけさっ!!!?」
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