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数秒後…そんな二条に…誰かが声を掛けてきて…後ろを振り返る。そこに居たのは…「片瀬玲奈」と言う小さな女の子だった。
二条達也「どうした?片瀬?珍しいな?」
片瀬玲奈「うっううんっ(汗)!!!?何か二条くん悲しそうな顔してたから…」
二条達也「俺が…」そう呟いた二条の目からは涙が溢れ出していた。そして咄嗟に涙を拭った二条はこう続ける…!!!?
二条達也「あっあれ…おかしいな?何でなんだろう?あっはは(笑)!!!?」
そんな二条を見た片瀬はポツリと呟く「もう無理しなくて良いよ…」片瀬のその言葉で二条の中で溜め込んでいたモノが溢れ出した。「もう…諦めた筈なのに…」諦めた筈なのに…流れ出る(涙)は二条の心を映しているかの様だった。そして夕闇に染まる空が…そっと二条の頬を小さく照らした。まるで…「頑張れ」と優しく微笑み返す様に…。
それから数時間後…二条達也は部屋の天井を見ながら考え事をしていた。もう諦めたはずの「夢」を捨てきれずに…藻掻いている自分がわからなかったからだ。
ギターや歌が上手い方ではない…。自分だけの武器を持ってる訳では無い。諦めたはずの夢への片道切符をいつまでも財布にしまったまんま…ただ呆然とその日暮らしの様にのほほんと生きてる。
床から聞こえてきた「ドンっドンっドン」っという音は…二条に何を語り掛けていたのだろう?三日三晩考えたが…二条には理解できなかった。下の階の住人が激しく怒って自室の天井を叩いている理由もその天井が二条にとってはボロアパートの「床」部分だと言う事も…第三者から見ればどうでもいい事だ。二条はそんなことを考えながらポツリと呟く。
二条達也「何やってんだろう?オレ?」
数秒後…ドォンっという「花火」が上がる音がして窓を開けたが…そこには何もなかった。その空は何処までも空虚な今の二条の心を映していたのかもしれない。
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