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それから数日後…「二条達也」という人間の全ての記憶を見終えた。道枝は彼に話し掛ける。
道枝「辛い人生だったんですね?」
二条達也「いや…それでも辛くなかったです」
二条達也「夢を諦めてはいたものの…それなりに充実した日々を過ごして来ましたから…」二条は苦しそうな顔をしてそう言うと流鶯街からみえる綺麗な夕焼けを見ながらお茶をひとくち口に含んだ。
道枝「二条さん!!僕と約束して下さいっ!!?今度生まれ変わったら…」そんな道枝の言葉と共に徐々に彼の意識は薄れていき…やがて気を失った。
それから15年後の事である…。「高木栄昇」と名付けられた彼の1人息子がこの流鶯街にやって来たのは…そして現在道枝は彼に「仕事」「イロハ」を叩き込んでいたのである。
高木栄昇「店長おぉぉ〜何なんすか?このお茶ぜんっぜん注げないじゃないすか?」
道枝「はぁ…何度も教えたろ?それを使うには(力)を練る必要がある」
高木栄昇「力ぁ?力だったら練ってるじゃないすか?」
道枝「いやっお前がやってるのは力任せにカラフェを握り潰そうとしてるだけ」
道枝「それじゃ…「範氏」様が作った神夲器からお茶は出ねぇーよ!!?」
高木栄昇「神夲器?なんすか?それ?」
道枝「神力を練って作った陶器の事だよ!!?」
高木栄昇「神力っ?なんすかそれ?」
道枝「お前っ!!?ここの住人なのにそれも知らねぇのか!?」
道枝「はぁ…まぁしやぁねえよな?お前は元々人だったんだから…」
道枝「口で説明するよりやった方がはぇえかもな
?」道枝はそう言うと指をパチンッと鳴らす。数秒後…周囲の情景が変化していき…栄昇の耳に様々な言葉がなだれ込んでくる。
そして…声がなり終わったかと思うと…何処とも知らない草原の中に居て「栄昇」は空に浮いていた。そして困惑する栄昇に道枝が話し掛ける
道枝「これが神力だ!!?今お前は俺の創り出した幻の世界にいる…!!!?あそこに見えてる景色も…走ってる列車も全部が夢まぼろしさ」
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