第1話【魂の選定】

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ちなみにコースケたちが居るこのユーレイカフェは(隠り世)の中枢に存在していて…店の軒先には「幽昇門」がすぐ側にある。そういわゆるここはあの世とこの世の狭間だ!!!? 「幽昇門」の向こう側には…「三途の川」があり鬼たちが住まう「煉獄」と神たちが住まう「ユートピア」がそこにある。 このユーレイカフェには毎日のように鬼や人界の神が出入りしており…極稀に「稀人」と呼ばれる生きた人間が訪れる事がある。 彼らは現世とこの世の狭間を彷徨う「魂の現し世」であり…死人とも生者とも言えない存在である。 ユーレイカフェで勤めるコースケたちの仕事はそんな「稀人」の魂を正しき世界へ戻す事にある。彼らは稀人を選定し死するべき者か?生けるべき者か?を見定める。 この時に用いられるのが…「幻惑草」の葉から抽出したユーレイポットと呼ばれる玄米茶である。このお茶には稀人の住人と「選定者」を「零鹽門」に引きずり込む効能があり…彼らを悠園の地へと誘う。 そしてコースケたちはこの「零鹽門」の内側の世界にて…稀人の動向を監視する。この世界は稀人の記憶の世界が再現されており…彼らが隠り世へと来るまでに通った道すがらに何をしてきたか?が事細かにわかる様になっている。ここでコースケたちは魂の選定を行い。彼らが善人であれば現世へ戻し…悪人であれば「監獄」へと移送するのである。それが彼ら「選定者」の大まかな仕事である。
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