きみが卵だったら

きみが卵だったら、ずっとずっと一緒にいてあげられるのになぁ。

料理中、一人で待つこともないし、掃除機だって卵を持ってすいすいできる。

仕事にだって連れて行ってあげられるから保育園で朝バイバイしなくてもいい。

そうすれば朝きみが泣くことも、後ろ髪がひかれる思いで出勤することもないもんね。

肌身離さずそばにいて、満員電車からも外の寒さもばい菌からも
ずっとずっと全部全部守ってあげられる。

もちろんきみが入る卵はイースターエッグもびっくりするくらいの可愛いくてカラフルな模様にしよう。

きみが快適に過ごせるように卵の中にはソファーを用意しよう。

うんとふかふかで肌触りのいいやつをね。

きみが大好きなおもちゃも入れて、ずっとずっと遊んでいたらいい。

お昼になったら頭に卵の殻をのせて、ひょっこり顔を出してね。

こっそり仲良くご飯にしよう。

頭に殻を乗せたきみの姿を想像すると可愛くて思わず笑ってしまったよ。

そして、ご飯を食べたらきみはお昼寝だから、また卵に入って眠るんだ。

そんな便利な卵があったら、おとぎ話の最後みたいにずっとずっと幸せが続いていくのかな。