*11* 恋人終了宣言

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【Side架純】 「俺の傍にずっといてくれませんか」 シースルーのゴンドラの絶景をバックに、綾瀬が言った。 捨てられるんだと思ってた私は、戸惑い半分嬉しい半分でリアクションに困った。 「…本当に、そう思ってる?」 「思ってるよ」 「どうして?」 私が不安になったら、それを解消するために努力するなんて。 めんどくさいって思わないの? …私って、こんなにめんどくさい女だったっけ。 「だって、……愛してるから」 綾瀬の声がだんだん小さくなる。 愛してるという言葉に、顔が熱を帯びる。 真冬なのに、炎天下にいるんじゃないかと思うほど体が汗ばんだ。 それは綾瀬も一緒なようで、彼の白い肌が耳の端まで真っ赤に染まっている。 赤面することを、トマトのように赤いと例えることがあるけれど、まさしく文字通り綾瀬はトマトのようだった。 「私も。あ、…愛してる」 「じゃあ…」 綾瀬がパッと顔を上げる。私は頷いた。 「うん。これからも、末永くよろしくお願いします」 まだプロポーズなんて先だと思ってた。 復縁したばかりだから、結婚の話が出るのは今じゃないと勝手に思ってた。 でも、綾瀬はそんなことを考えず、結婚したいという意思を私にまっすぐ伝えてくれた。 半年前、恋人関係が終わったのは、他人に戻った時だった。 積み重ねてきた日々が終わったと思ったあの日。 綾瀬と歩いて行く道はもうないと思っていた。 2度目の恋人関係の終わりは、前向きな未来。 恋人関係が終わるのと同時に、私たちは夫婦に、家族になる。
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