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「それで、結局警部さんに叱られたんですね」
「叱られちゃいました。まあ、刑事とあろう人が監禁されるなんて、あってはいけない事なのはわかっているんですけどね」
「叱られた分、ここから取り返しましょう!」
「そうですね」
仁美と鶴丸刑事にとって見慣れた景色が見えてきた。つまり、パトカーは間宮家へ到着した。
「とりあえず、絢奈さんはここで待っていてください。私たちが家の中へと入っていきますので」
仁美は、間宮家のチャイムを押した。
「すみませーん、兵庫県警捜査一課の西田仁美です」
「……」
「アレ? 反応がないな。光雄さんか幸子さんはいらっしゃるはずなんですけど……鍵が開いてる……」
なんとなく、仁美の心臓の鼓動が早くなる。これは、手遅れだったのだろうか。仁美と鶴丸刑事は、恐る恐る中へと入っていった。
「う、うわあああああああああああああああああッ!」
鶴丸刑事が悲鳴を上げた。
「つ、鶴丸刑事! どうしたんですか!」
「西田刑事、君には少し刺激が強いかもしれない」
「それってまさか……」
「そのまさかです。まあ、仏間まで来てください」
仁美は、鶴丸刑事に連れられるように仏間へと向かった。
「こ、これは……」
間宮光雄、そして間宮幸子だったモノは、首のない状態で仏間に放置されていた。畳は、血で赤黒く染まっていた。
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