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小さい顔で、髪型をツインテールにしている女の子がいた。
女の子はこう言った。
「また会えたね」
息子もこう言った。
「また会えたね」
息子は、私のことを見ていない。
私は、そういうことだったのかと納得する。
その反面、若干ながら嫉妬心が湧いた。
「最初は一人で寂しがってました。あの女の子が遊ぼうと誘ってからは、明るくなり、笑顔を見せてくれました。これも子供の成長だと思います」
園長先生が、そう話してくれた。
それを聞いてた私は、黙って息子の姿を見る。
「悔しいけど、これは息子の成長期」
そう思う事にした。
私は園長先生に頭を下げる。
「よろしくお願いします」
そう言って、私は保育園を出て、車に乗り込む。
「夫にも話さなきゃ」
私はそう呟き、車を走らせ、職場へと向かった。
【完】
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