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でも、美雨ちゃんはあたしだけじゃなく、色んな人に声を掛けていた。
あの鈴のような声で。
みんな、嬉しそうだった。
中には、美雨ちゃんが声を掛ける前に、美雨ちゃんに声を掛けに行く人もいた。
美雨ちゃんはあっという間にクラスの人気者になった。
人生で初めての席替えの日。
美雨ちゃんは、あたしに「また近くの席だったらいいね、莉奈ちゃん」と言ってくれた。あたし、名前を教えたっけ?と思ったけれど、そういえば名札に名前が書いてあったと思い出した。
それにしても、「また近くの席だったらいいね」って……と、幼いあたしは思った。
それは、隣は嫌だって意味かな? 隣は別の子がいいってことかな?
色々考えて、そうだ、美雨ちゃんは頭がいいんだったと思い出した。頭がいいから、二回連続同じ人が隣になることはないって考えたのかな?
美雨ちゃんは文武両道で、成績もクラストップ、走っても、なわとびしてもトップだった。
みんな、そんな美雨ちゃんを尊敬の眼差しで見てたなぁ……。
結局、席替えの結果、あたしと美雨ちゃんは席が離れた。
その代わり、美雨ちゃんの隣は優都くんになった。
クラスで一番優しい男の子。
友達が多い男の子。
美雨ちゃんは、優都くんと話していて、すごく楽しそうだった。
ちょっとモヤモヤした。
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