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美雨ちゃんと出会ったのは小学校に入学した時。
初めて隣の席になったのが松本美雨ちゃんだった。
美雨ちゃんは、すごく可愛かった。
美雨ちゃんの行動一つ一つが愛らしかった。
堀の深い顔立ち。くっきりとした二重。長い睫。真っ白な肌。細くて長い手足。身長は小柄な方で、それもまた可愛かった。
美雨ちゃんとは、学年が上がる毎に仲良くなった。
一年生の時、あたしは極度の人見知りだった。
今も人見知りは残っているけれど、昔ほどじゃない。
だから、美雨ちゃんに話し掛けたかったけれど、なかなかできなかった。
美雨ちゃんは、「おしとやか」という言葉がぴったり。
なかなか話し掛けてこないあたしを見かねたのか、入学式からちょうど三日後。「こんにちは。私は松本美雨。よろしくね」と声を掛けてくれた。
鈴のような声だった。
綺麗だった。
人見知りのあたしは、「うん……」ともごもご答えただけ。
でも、本当はとても嬉しかった。
こんな美人ちゃんが、あたしに声を掛けてくれたなんて。
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