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じゅうに!!
ジャラ
昨日買ったナマけっちのキーホルダーを鞄に付けてみる。
「意外と可愛いじゃん」
これでモテ度アップとか効果が付いてたらいいのに。
ーーー
最初は結構良いじゃんって思ってた。
でもそれは、間違いだったらしい。
ジャラ
「あ~もううっさいな」
朝の登校中。歩く度にこの音がなって正直迷惑。周りの目も気になるし。
(だけど皆が見てるってことはアピールタイムかも!!)
やっぱ『うるさい』発言取り消し。
この音鳴らした方が可愛いアピールには効果的だったみたい。
ーーー
「あら、清水みるくじゃない」
「誰かと思ったら佐藤琉芽・・・」
『みるくって可愛いでしょ?』アピールをしながら下駄箱に行ったら嫌いな奴と会ってしまった。
(運わっる)
今日の運勢最悪だわ。
「そういえば来週英語の再テストがあるのよね。清水さん大丈夫?」
こいつが言うと煽ってるようにしか聞こえないんだよなぁ。
「教えてくれてぇありがとぉう! すっかり忘れてたぁ~ 今から勉強しなくちゃねぇ」
本当は勉強してるけど『勉強してない』って言う奴の真似。上手じゃない?
「今から勉強して間に合うの? 清水さんはおつむが弱いんだから一ヵ月前くらいからやらないと無理よ」
実は一ヵ月前から福地君と勉強してたんです。
「ま、せいぜい前と同じ24点でしょうけど」
んな訳ねーだろ。あの頃よりかは解けてるわ。
「あまりみるくを舐めるとぉ、後で痛い目合うからねぇ・・・」
「そんなに自信満々なのね。もういい、先行くわ」
クソ! 超上から目線!! そしてウザい。
「絶対佐藤琉芽より上の点数取ってみせる」
あんたなんか私の手にかかればちょちょいのちょいよ!!
ーーー
キーンコーンカーンコーン
いつもの放課後を合図するチャイム。
それと同時に、急いで教室を出る。
「清水さん。どうしたんですか!?」
「ちょっとやる気出てきたぁ。早く勉強会、しよぉ」
「は、はぁ・・・」
ラスボスが佐藤琉芽なら、それまでの工程でどこまで武器を集め装備できるか。
勉強は努力するしか、成果が出ない!!
馬鹿が突っ立ってたって馬鹿は馬鹿のまんまだし。
「 ・・・すごい 」
ふいに呟く福地君。
「スゴいですよ清水さん! もう問題集 3 週目!!」
「ふぅ」
隣の福地君を見ると目が輝いていた。
「福地君ってぇそんな顔するんだぁ♡」
初めて見た。
「えっ、あ、w0@pd」
「何言ってんのぉ」
さて、勉強再開しますか~
(アイツに勝てるなら、いくらでもやるわ)
ーーー
最終下校を知らせるチャイムが鳴る。
机と椅子を片付けながら、福地君がこんなことを言ってきた。
「そういえばもうすぐ体育祭ですね」
「えぇ! 体育さぁい!?」
マジか・・・転生先でも地獄の行事はあるなんて。
「いや昨日リレーの選手とかいろいろ決めたでしょ」
「聞いてなかったぁ♡」
それよりもどうすれば皆私に夢中になるか考えてたわ。
「清水さん、ブロックリレーのアンカーでしたよ」
「え」
ま、待ってくれ・・・
私は唯一、体育が苦手なんだ。
しかもリレーなんて走る他にバトンを渡すっていうのが大変な競技じゃないの。
「ちなみに僕は5走目。清水さんの前です」
「確か明後日から学校で朝練があるみたいなんで、頑張りましょ!」
ちょっと笑顔で言いながら階段を降りる福地君。
(クラスの皆ごめん)
最初に謝っとく。
(多分私のせいで、リレー最下位になります!!)
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