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さん!!
「お前今日なんか変だけど・・・頭でも打ったのか?」
「え~っと、あなた誰だっけ?」
「はぁーー!? 家族の名前も忘れたのかよ!?」
「あ、そうだそうだ思い出した」
私の名前は勝田ふわり・・・じゃない、清水みるくだ。
朝ご飯を食べている間に家族からいろいろ『清水みるく』について教えてもらった。
『清水みるく』はここから歩いてすぐの地元の高校に通っている高1。
部活は帰宅部で帰ったらゲームをよくするらしい。
ちなみに部屋が汚い。整理整頓が苦手、というのもわかる。
スマホの暗証番号は親が知っていたそうなので教えてもらった(なんで知ってるんだよ)。スマホを見る限り結構未来の世界に転生したっぽい感じがする・・・!
そして今は学校の登校中。
兄の翔太も同じ高校らしいので一緒に登校している。年は一歳差で現在高2。
「お前もしや転生者とかじゃないよな? 最近アニメとかでも流行ってるやつ。 こんなに自分のこと知らないなんておかしすぎだろ」
「えぇ? 違うよ、ちょっと寝ぼけててさ。アニメの見過ぎなんじゃない?」
「本当かぁ?」
「とにかく、みるく行くからっ」
これはバレちゃう。急いで逃げよ。
「あいつ自分のこと名前で呼んでたっけ?」
・・・・・・聞こえなかったことに!!
ーーー
ハァハァ
なんとかダッシュで逃げることができた・・・が。
(一年の教室ってどこだよ!?)
(あと私って何組ぃ!?)
ヤバい。大事なこと聞くの忘れてた。
でも先生に聞くとお兄ちゃんと同じように言われて疑われてしまう!!
「あれ? 清水さん?? そんなとこでボーっとしてどうしたの?」
「・・・・・・えっとぉ、みるくのクラスってどこだったかなぁ~」
「ちょ、清水さん聞いてる??」
「みるくぅ、忘れちゃったぁ~ 誰か助けてよぉ・・・」
顔を俯く。これは効果的なのでは? この人誰か知らんけど。
ていうかこの人めっちゃ美人だなぁ。可愛いよりかはカッコいいが似合う人だ。あとロングの髪綺麗。
「・・・もういいや。先行こ。」
「え、待てよ。そこは普通『一緒に行ってあげるよ』一択だろ何間違えてるんだよ」
「普通の清水さんに戻った!じゃあいいよ」
は? 清水みるく、お前こんなキャラなの。
あとぶりっ子じゃダメだったんかよ。
ーーー
「清水さん、ぶりっ子になりたいの!?」
クラスに向かう途中、私はぶりっ子になりたいと言った。
言った相手はぶりっ子をあまり好んでない? 佐藤 琉芽。
さっき私のぶりっ子俯き作戦を実行したが、見事失敗した相手だ。
そしてこの人見た感じからしてでもわかる、サバサバ系女子だ。自称ではない、ガチの方のね。
「うん。だから今練習中なんだぁ~どう~??」
「そっち系行くんだね・・・」
「え?なあにぃ??」
「何でもない。嫌われてもいいなら、やれば?」
ひっど。ズバズバ言うじゃん。空気読もうぜ。
「そういえばぁ、みるく達のクラスって何組なの?」
「ここよ、ここ」
何か喋ってたら、いつの間にか着いてたわww
清水みるくは一年四組らしい。
「何突っ立ってんのぶりっ子女。私もう行くから。」
あ~あ、もうぶりっ子認定されちゃった。
でも、つまりそれはぶりっ子一流ってことだよね!?そう思うとハッピー♡
(やば、あと一分で予鈴鳴るじゃん)
急いで私は教室の中に足を踏み出すのであった。
まだここが、ゲームの世界だとも知らずに。
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