8人が本棚に入れています
本棚に追加
「 さよならからのいってきます 」
「あっ、星奈ぁ〜っ!!」
卒業式が終わり、各々の家庭などが写真撮影をしている頃。
私に向かって笑顔で突撃してきたのは、親友の月野 恋華。
「ぐす…ッ、あれ、恋華…っ?」
卒業式が終わってからも、校舎裏でずっと泣いていた私。
なぜそんな私を見つけられたの…? それはきっと、親友だから…?
「もうっ、星奈ったらぁ! 卒業して、高校に行ってもまた会えるんだよ?」
「でもっ、でも、高校が違うし、もしかしたら会えなくなっちゃうかも…ッ」
隣に座って、ゆっくりと聞いてくれる大好きな親友。
どんな私でも受け入れてくれたからこそ、__親友という関係に至っている。
「そっかそっか。ふふ、そんなこと?」
そんなことって…っ!
「あたしたちは、離れてても親友でしょ?」
…っ!
「うん…ッ!」
ーー
「桜…綺麗だね」
「だね〜。綺麗に咲いてくれてよかっ…た、星奈?」
「え? 何?」
「泣いてるけど…どうしたん、どっか痛いん!?」
「え。泣いてなんかな…、あれ」
どうやら私は、よっぽど親友と離れたく無かったようだ。
__ずっとずっとずっと、忘れないよ。__
「一緒に写真撮ろ!」
パシャッ…そう音を立てて、刻まれる「卒業」という思い出。
__君と見た桜を、忘れないよ。__
「てことで、卒業おめでと。恋華、いってきます!」
「ふふ、星奈もね。ばいばい…いってきます!」
いつの日かまた、逢えるときまで。
あなたのことを、ずっと…忘れないから――。
『 さよならは 、いってきますの合図 。 』_ end .
最初のコメントを投稿しよう!