No.1

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No.1

綻びがあるのならば人間か 繕いがあるのならば人形か 聲で愛を語るのが動物か 舌で愛を騙るのが人間か 花開けばそこに彩があるのが植物か 花開けばそこに才があるのが人間か なんにもないがらんどうに種を詰め込んで彼は征く 亡者の行進、生者の葬列 花開くはずの種は奥の歯で砕かれ 聲を発する喉は潰れ 繕われた縫い目からは綿にも至らぬなにかが溢れ その両眼はかく語る、音も無く声も亡く 『この生き様がヒトの証だ』
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