No.7

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No.7

縄に括られた愚者は今日も思考する。 『太陽が絶えた死出の旅には銀の楔を。装束は黒が良い。右手を月に翳した時には、狼がその真円を喰らうだろう。入り用ならば雪も降らせよう。荒涼とした地に天の惑いが降る、ああ、そのさまに私は心を揺さぶられたい、震わせたい。死神が鎌を携える。もうすぐだ、もうすぐ』 縄を、この首を、その鎌でいずれは。
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