3. 別れ

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「姉やは、離れていてもずっとぼっちゃんのことを想っている、幸せを願っていると言ってました」  お竹さんは時に厳しい人であったが、母と違い深い愛情を持って倫太郎に接してくれているのがわかる。そのお竹さんが言うことだから、本当のことなのだろう。  倫太郎は堪えきれずしくしく泣き出した。 「ぼっちゃん、思いっきり泣きなされ。でも、家に戻ったらもう泣いてはいけません。姉やのことも話してはなりません。お母様に叱られますでな」  お竹さんはそう言うと倫太郎を好きなだけ泣かせてくれ、それから手を繋いで家に戻った。  学校生活に慣れ、元々の穏やかな性格で少しずつ友達ができていくにつれ、倫太郎の姉やを失った寂しさは少しずつ薄れていった。
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