2.紙本づくりは愛おしい

1/2
前へ
/7ページ
次へ

2.紙本づくりは愛おしい

 敬慕する絵師さんから聞いた「紙になにか書(描)いてふたつに折ったら、それはもう本」という言葉が、私はたいへん好きですが、今回はせっかく気合いを入れてイベント参加するんだから、印刷所で立派な文庫本を作りたいぞ…!と思って動き出しました。  私の場合、決めたことはこのようなことです:  ◆書き下ろすのではなく、これまで投稿サイトで発表した作品を収録  ◆「四季の幻想譚シリーズ」のつもりで書いた四つの短編を短編集にする  ◆ほしふるほたるさんにカバーを描いていただいた「夏至の庭が暮れるころ」もそのシリーズのひとつなんだよな…  ◆春庭で頒布かぁ…「春林奇譚」の満開の桜の表紙を、ほたるさんに描いていただけないかな…  →即、ほたるさんにオファー。快諾~!(≧▽≦)  こうしてカバーイラストの構図やキャラクターデザインを進めていただきながら、私は「中身」の制作にとりかかりました。  既にテキストデータはあるし、私みたいな同人初心者のために印刷所さんが無料のフォーマットを用意してくれてる。だからそれに流し込んでちょっとルビとか整えたら楽勝じゃ~ん!と思ったら甘かったです。  まず、パソコンの画面上で、wordの用紙を「右から左に並べる」仕様に変更したいのにできない。おわかりいただけるだろうか、縦書きの場合、紙をこんなふうに右→左に並べないと作業がしにくいの↓ c2300355-e724-4d20-b050-08233bf03012  あれこれ検索した結果、wordの基本設定をアラビア語にすれば「右から左に書く言葉」の仕様にできることを知る。できた!できた…けど…そこから日本語への戻しかたがわかんない。夏田こまる dec39f99-a44c-4a3a-932e-cf2095082b06  そして試しに一冊だけ印刷製本してもらったら、見事に左右を間違えた! 誤字脱字もいっぱい…しょんもり 06e820be-f51c-4057-8065-a8a588b0400c  それでも表紙のデータもつくって…! 4a9ae9bc-6890-4a11-8297-028a86532fca  できました! 納品された!!  みて! みて! まだ折り目もないこの美しいカバー!(この時点で3月2日。準備が早すぎるww) f02d7acd-374c-4c41-9616-dbf39141ed5d  ほたるさんの装画があまりにも美しいレトロブルー&サクラカラーだったものだから、本文用紙は冴えた真っ白が似つかわしいと思って、クリームがかった書籍用紙ではなくて上質紙を選びました。本体表紙も、青みがかった薄いピンクの色上質紙に。そうそう、表紙や奥付に「イラスト」じゃなくて「装画」と表記したのも、ほたるさんと話し合って決めたこだわりです。  使用フォントは「源暎こぶり明朝」で統一。「普通」であることが特徴で、縦組み小説に特化した文芸向け本文明朝体…だそうです。  さあ、春庭まで1か月。自スペースの備品や販促物も、がんばって用意したんだぜ…(次ページにつづく!)
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加