おわりに

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おわりに

 私自身、他の作家さんがどんなご感想をもらっておられるのかな、ということに興味があります。読者さんの感想の言葉はその作家さんの読みどころでもありますよね。レビュー欄とか。  私も、今回の紙本にいただいた言葉をすこし、自分なりにまとめてご紹介してもいいですか…  収録した作品のうち「春林奇譚」「夏至の庭が暮れるころ」「大晦日迄」はエブリスタでどなたでもお読みいただけます。  しかし1作品だけ、エブリのレーティングにひっかかるのが怖くて、今のところ紙本だけになっているものがあって…「おれのやさしいコハクさま」という作品です。…たぶん大丈夫なの。自分で思うほど過激じゃないの。でも私は過去に強制非公開をくらったことがあって(イラストだったけど)、あのときのショックがトラウマになっていてですね…  「おれのやさしいコハクさま」は、書き出しが「これは、西のほうへ、山々をいくつも越えていった先にある小さな里のお話です。」となっているように、昔話風、読み聞かせ民話風ファンタジーです。隠微で悲しい宿命に縛られた神様と、孤独な十四歳の少年のリバBL。  この作品に、創作の先輩からご感想をいただきました。私もその方の書かれる小説作品が好きで(たぶん全読みしてる)、好きなものが似ていると常々感じています。  ご感想には、山里の情景や主人公たちの心情にこころ動かされた、エンタメとしても面白かった、ご自身が転勤族の家庭育ちで、ひとつの土地に根ざさなかったこともあって尚更そういう土俗的な雰囲気に惹かれるのだと思う――といったことを丁寧に書いてくださって、私は感激してしまいました。嬉しいご感想に「そんなふうに受け取ってくださったのか…!」って思う瞬間、小説書きの皆さんならお分かりになると思います…!  「コハクさま」とか、あるいはエブリに置いている佐賀弁BL「あのとき雨が降ったから、君の隣に乗せてもらった」みたいな、日本の田舎、懐かしい記憶のなかにある土地を舞台にした話。もう少し書いてみたいなと思って、また構想中であります。  ほかにも、4編を通して読んでくださり「どれも思わずラストでふふって笑っちゃった♡」といったお声もいただきました。  そうなんです!! 私ね、ラストシーンが光に満ちてる感じが大好きで…! どの話も「君たちよかったね!!末永くお幸せにだよ!!!」と思って書いています。そういうところを感じとってもらえて嬉しかった。  あと、何人かの方から「一般文芸寄りのBL、私も好きです」と声をかけていただきました。私の個人サークルのキャッチフレーズが「一般文芸に擬態するボーイズラブ」なんですけど(まだちょっと恥ずかしいw)、もしかしたらそういうフレーズを目にして、このように言っていただいたのかな…。  自作の方向性を表現するコンセプトフレーズをつけるというのも、ある先輩の創作活動をお手本にしたものです。自作を表現したコンセプト、つくっておいてよかったなと思いました。  あっ、あと「明治時代」「音楽学校」「ガーデニング」みたいなキーワードへの反応もたくさんいただきました。嬉し~…っ(涙) ◆  すみません。熱く語ってしまいました。  次にイベントに参加するときはもう少し落ち着いて「ふっ…またこの季節がきたわね」って感じになっていたい(?)  とりとめもないダラダラ話におつきあいくださり、ありがとうございました。これからもゆるく絡んでいただけましたら、嬉しゅうございます。  夏田樹
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