9.時が止まってしまえばいいのに

11/11
前へ
/85ページ
次へ
 腰のあたりを縛める腕に、そっと指を這わせる。布越しではない彼の体温は、やはり僅かに冷たい。 「……お前は何も悪くないのにな」  起きているうちには決して言えない言葉を置き去りにして、秀は涙を堪えた。
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

145人が本棚に入れています
本棚に追加