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素直な気持ちだった。息を呑んだ雪彦が、少し怖い顔で再び覆いかぶさってくる。
「あ、まっ……ひぁっ、あ!」
雪彦の匂いに包み込まれている。呼吸を繰り返すたびに疼くような甘さが全身に広がって、まるでそういう薬でも吸わされたみたいに興奮してしまう。
ぼうっとしているうちに、伸ばされた雪彦の腕がウエストがゆるいゴムのハーフパンツを勢いよく脱がせる。下着を押し返す欲のシルエットが露わになる。雪彦は卑猥な手つきでその形をなぞるように、何度も布越しの愛撫を繰り返した。
くすぐったくて心地よいけれど、快感というにはほど遠い。もどかしさに身を捩って、ねだるような動きをしてしまう。
「ぁ、くそ……弱いって」
「こう、ですかね」
「っ、あぁ!」
少し力を加えられただけだというのに、じゅわ、と先端から堪えきれない蜜が溢れ、布地に淫らなしみを作る。もっと直接的な刺激が欲しい。彼の骨ばった大きな手で、思い切り扱かれたい。
「っ、下手、くそ、もっと、直に——」
「すみません、甘える姿が可愛くて……こうですか」
「っ」
顔を寄せて耳元で囁かれ、身体がびくっと跳ねた。
先端が泣きこぼした蜜は幹を伝い、後ろの窄まりまで濡れそぼってしまっている。このまま触れられもせずに達するような醜態は晒したくなかった。歯を食いしばって睨む秀を見て、雪彦は「冗談です」と小さく苦笑した。
「ばっ、あ、急に……っく、う、ぁあぁ……!」
下着をずり下げて反り立った芯に、はしたない先走りを塗り込めるよう乱暴に扱かれる。高みへと昇り詰めていく。
——でも、俺だけじゃだめだ。
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