俺は、社会人になりたい

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 「 今日からよろしくお願いします。桜田ひなたです 」 「 ひなた君、よろしくね 」 人の良い店長は、親戚のおばさんの旦那さん。  そこのパンが好きで通う内、忙しい時間帯に手伝うようになっていた中学時代。  あの辛かったいじめを、卒業するまで我慢できたのは、このお店があったからだ。  心の拠り所だった。  そしてまた、こうやって居場所を与えてくれていることに、感謝が溢れて止まない。  懐かしいパンの香り。  俺は今日から、やっと夢だった社会人になる。  あの日から嫌いだった桜が、次の春にはきっと、見上げて綺麗だと言えるだろう。
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