俺は、社会人になりたい

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 好きで引きこもりになった訳ではない。  病院に通いながら、高卒認定の試験も合格した。  駅の近くにある家の窓からは、嫌でも新社会人達の出勤する様子が見えてしまう。  その様子を、何度も見ては羨ましく思い、妬ましく感じた。  だけど、30を前にしてこのままではいけないと、自分を奮い立たせることにした。  「 ひなた、悪かった 」 20を過ぎた頃からだろうか。  毎日のように流がやってきては、謝って帰る。  大人になってやっと、あの時の自分を悔いたのだと言う。  俺は別に、もうどうでも良かった。  ただ、扉を開けることは無かったが。
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