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あの後僕と妙香はすぐに安いアパートに引っ越して一緒に住み始めた。運命に逆らいたくないからと投薬を拒んだ妙香は、時々苦しそうにしながらも七年半を僕と共に過ごすことが出来た。
ある時、妙香が僕に向かってこう言った。
「もし私が死んだら、すぐに新しい彼女を見つけてね」
僕は初めて妙香に怒りを向けてしまった。
一緒に住もうと決めた時に共に誓い合った事がある。
「一生愛し続けるよ」
一生って、産まれてから死ぬまでを言うんじゃないのか。だったら妙香が先に逝っても僕が息絶えるその日まで僕は妙香だけを愛し続ける。
そう告げたら、妙香は満面の笑みを浮かべながら確かにこう言ったんだ。
「じゃあ私は来世でも進一君を愛し続けるよ」
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