宣告

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 ちょうど見たい映画があったから、私は食事の前に映画に付き合ってよと言ってみた。ホラー映画だったけど、彼は快く承諾してくれた。  私としても一人で行くのは怖かったし、友達も怖がって誰も付き合ってくれなかったから、タイミングも良かったのかもしれない。  でも映画には集中出来なかった。私の右の席に座っていた進一君のその左手に気付いてしまったから。  何度も私の手を握ろうとして戻しを繰り返しているのに気が付いてしまったから。  そんな彼の仕草を愛おしく感じてしまった私は、映画館を出てすぐに進一君に自分から告げた。 「私たち、付き合おっか」  って。
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