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「検査結果、どうだった?」  開口一番、神妙な声でそう尋ねてきた。進一君の声を聞くのも今日が最後かと思うと、嗚咽が出そうになる。  私はそれをぐっとこらえた。 「うん。大したことはないって」 「そっか。よかった、安心したよ」  安堵した進一君の声を聞くと更に胸が締め付けられた。  私は今、嘘をついている。  大好きな進一君に嘘を。  でも、これからもっと大きな嘘を告げなければならないんだ。
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