絶望を堕ろす職なし

#15「ナナナナ悩み」

「うーん……。」

引子は珍しくノートを目の前に悩んでいた。

・どうしたら自力で脳内に戻ることが出来るのか
・ルベウスはいつからいるのか
・ルベウスは何の仕事をしているのか
・幼少に受けた強いストレスはなんなのか
・ルベウスはこれからどうなるのか

「わ、わからん…！びっくりするほど何もわからん…。」

全部本人から直接聞くことが出来れば簡単なのだが、脳内への戻り方が分からない以上どうすることも出来ない。

仕事先は携帯の検索履歴を調べてみたが何もそれらしい情報は出てこない。

ストレスの原因を探すため幼少の頃を思い出そうとするが、モヤがかかったように思い出せない。

（これからルベウスはどうなるんだろう…？このまま解離したままな分けないだろうし…。"統合"ってなったら、ルベウスは…。
だめだ、頭痛くなってきた…。）

頭を抱え薬を飲んで落ち着かせた後、引子はiine（ｲｲﾈ）を開いた。

猫の写真に「また会おうね〜！」の文字。

「雪菜（ゆきな）…」

2人で泣きじゃくった思い出が蘇る。

このことを打ち明けるべきか否か悩んでいると、急に意識が消えた。

次に目を覚ましたのは数時間後の事だった。

「あれ…？」

携帯には見知らぬ動画が作られている。

外の日差しの隙間から雨が降り注いでいた。