#「9ルイ(涙)」

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#「9ルイ(涙)」

涙と圧に耐えながら引子は友達をなだめた。 「ご、ごめん!私が悪かった!だから一旦座ろ?ね?」 早くこの場を納めたいのが伝わったのか、荒い息をしながらも席に着いた。 「はぁ…。もうやだ。あんたもあたしも。大っ嫌い。」 色々言い返したい気持ちを堪えながら、引子は言葉を選び話し始めた。 「私も最近やな事続きでさ、毎日自分に苦しめられながら生きてんだ。だけど…。」 引子の目には涙が溜まっていた。 「だけど、誰にも頼れなくって、お母さんも私が未だにあの会社で働いてるって思ってるし、友達は私の事否定するかもって思ったら怖くて…。彼氏もこんなんだから居ないし、誰も、誰も助けてくれる人なんていないのよぉ…。」 友達は静かに聞いていたが、耐えきれなくなったのか震える引子の手をそっと握った。 「あだじも…だれにもだよなくってね…あんだにあだっぢゃったの…。ごめんねぇ…。」 友達は酔ってるぐらいにぐじゃぐじゃになった泣き顔で引子の涙を手で拭った。 2人はハンカチで涙を拭き、お互いの顔に吹き出した。 「ひどい顔になっちゃった…(笑)」 「へへ、あんたも相当だよ(笑)」 2人はそこから色んな話をした。 冷たくなったナポリタンは、心をいっぱいに満たしていった。
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