海に行く

2/5
前へ
/36ページ
次へ
 そんな無為な日々を過ごして3日目の朝、早く目覚めた。  午前3時半。外の様子は、夜のそれと変わらなかった。  俺はのそりとベッドから起き上がり、トイレへと向かった。歩き始めに少しふらついたものの、体勢を立て直し、トイレで用を済ませた。  その辺に脱いでいた服をバッグに詰め、少しの現金を掴むと、俺は玄関に鍵をかけて車へと向かった。  車に乗り込み、エンジンをかけ、俺はゆっくりとアクセルを踏んだ。頭はまだ、まともに働いていなかった。  ぼんやりとした意識の中、俺は大通りを西へ進んだ。早朝の時間帯。対向車はほとんどなかった。  海を見たかった。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加