そりゃダメでしょ

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 大学に進んだ俺は、遊びでグラブを握る程度で、本格的な野球からは離れた。  自分の限界を知った。プロになれるヤツの凄さを身をもって知った。それが1番の理由だった。  バイトに精を出し、仲間と飲み会をして、それはそれで楽しい毎日を送っていた。  そんな時に出会った。元妻に。  たまたまバイト先が同じで、それをきっかけによく話すようになった。自然の成り行きか、俺たちは付き合うようになった。  初めての彼女。もう止まらなかった。  卒業を目前に控えた時に、彼女の妊娠が発覚。正直、激しく動揺した。  先の見えない不安が一層深く、俺の中に根付くのが分かった。  そして現在。  30歳を迎え、俺は1人、リビングでビールを啜っている。
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