百足とヤマタノオロチ

　みんな色や形が微妙に違う。
　同じ帽子は1個もないのだ。
　かくして今年も帽子のコレクションは増えるのだろう。
　だけどクローゼットに何とか収まっているし、部屋の床も見えている。 　
　姉は父とは反対のすぐ捨てるタイプだ。
　この間なんか、姉が母のスマホをのぞきこんでいるので何をしているかと思えば、母に「不要なアプリは捨てろ」としきりに言っていた。
　しかし母はどれが必要でどれが要らないかが、そもそもわかっていない。