前編

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前編

行友(ゆきとも)くん、スキャン出来た?」 「あ、並木(なみき)先輩、途中までは出来たんですけど...ローラーに紙を詰まらせてしまって...」 この春入社2年目を迎えた行友は、疲れた顔でコピー機の前で右往左往していた。 「どれどれ、見せてみて。」 「手順を辿ってみると、多分、ここなんですけど...」 「クリップは取った?」 「あ!」 「それが原因だ。」 ローラーのカバーを外して中を覗くと、何枚も折り重なるように用紙が酷い有り様で詰まっていた。 「先輩、ありがとうございます。ああ、これは酷い...もう一度やり直します。それにしても、先輩はすぐに原因が分かるものなんですね。」 「行友くんを見てたら分かるよ。」 「...え?」 「君の仕事の様子を見てれば分かるって事。最近、疲れてないか?」 「はい...本調子では無いです。」 「だろうね。」 (入社2年目だしな。) 「まずはスキャンを片付けようか。11時から少し時間を貰えるかな?少し話そう。」 「はい。時間は大丈夫なので、お願いしたいです。」 「了解!主任に断っておく。そしたら、会議室Aをおさえておくよ。」 「ありがとうございます。」 ー11:00 会議室Aにてー 「急に悪かったね、こういう時は少しでも話した方が良い事もあると思って。」 「いえ、むしろありがとうございます。」 「ん。それで、どうしたのかな?」 「なんか、頭ではやる事が分かるんですけど...体がついて行かないって気がするんです。」 「うん。それで、他には?」 「3月くらいから忙しい状態が続いて、4月を乗り切ったと思ったら急に調子が狂った感じなんです。」 「なるほどね。その事は主任に話したの?」 「週次の1on1(定期面談)ではKPI(数値目標)と進捗の事は話してるんですが、僕自身の事については特には...。」 「なるほど、それじゃ主任は知らないんだね?」 「はい...。」 「話したくない?なかなか話せない?」 「後者に近いです。進捗の話をし始めると気分が高まって、僕のコンディションの相談をしようと思っても、後半には飛んでしまうんです。」 「そうか...。本題には至らずじまいか。」 「はい...。」 「最近、かなり力みが入ってるんじゃないかな?」 「はい、そう思います。新入社員が入ってきたタイミングもあって、過剰に力んでいるんだと思います。」 「なんだ、自分で原因が分かってるのか。」 「はい...だからこそ余計に......。先輩!どうしたら肩の力を抜いて、自然体になれるでしょうか?僕、もう疲れました。」 (泣きそうな顔してる...) 「行友くん、考えてもダメな時は欲求に身を任せてみたらどうかな?」 「欲求に...?」 「そう。例えば、今どうしたい?何をして、何をしたくない?」 「今ですか?......ゆっくり休みたいてす。仕事は嫌じゃないですけど...、それに、たまには愚痴とか弱音を吐きたいです。」 「他には?」 「たくさんあります。でもとにかく今は、今は...このなんとも言えない空虚感を満たしたいです。」 「どうやって満たす?美味しいランチでも食べに行く?」 「それも良いんですけど、そんなんじゃないんです...」 行友は並木の喉仏と胸元を見つめ、言葉を詰まらせてしまった。 「ん?...さっき言ったはずだよ?考えてもダメな時は“欲求に身を任せる”。」 「先輩...僕っ......ごめんなさい!」 「!?」 次の瞬間、行友は並木の胸に飛び込んだ。 腕を回し顔を埋め、並木の体温、上品な香水の香り、心臓の鼓動を貪るように味わい始めた。そして、美しく盛り上がった鎖骨、血管が透けて見える首筋、唾液を飲み込む度に上下に浮き出る喉仏へ......。 「ごめんなさいっ!会社でこんな事...しかも先輩に...僕、頭おかしいのかも知れないです...でも、もう......我慢出来ないです!」 「...いいよ、続けて。」 はぁ...はぁ...... 「先輩!」 行友は並木の唇に自分の唇を重ねた。 ちゅっ……ちゅぱっ...はぁ...。 んっ...んっ......んんっ......んはっ! 並木の唇は厚く弾力がありながら、行友の唇を全て覆い尽くして飲み込んでしまうかの如く柔らかく、淫らな生き物のように応えた。 舌が絡み合い、これ以上ない程の熱を帯びた粘膜は、何度も確かめ合うように動き、お互いの喉の奥へ吸い込まれるかのように伸縮を繰り返した。 じゅるっ! はぁ...はぁ...んぐっ.........はぁ......はぁ...。 「...肩の力は抜けたか?」 「はぁ...はぁ...まだこんなんじゃ足りないです!」 行友は並木の水色のシャツのボタンを手早く上から外した。 清潔なインナーシャツに目をやると、鎖骨の形がより一層美しく映えている。 さらに下の方へ目線を移すと、乳首の形が浮き出てみえた。 「先輩、いやらしい…」 行友は目眩を感じるような興奮に支配され、並木のインナーを下からめくるように脱がせた。 鎖骨から胸骨、胸筋のラインはやはり美しく、薄いピンクの乳頭が、行友を誘うようにその存在を際立たせている。仕事をする時の並木からは想像も出来ない程の、まるで無防備で無垢な生き物のようだ。 行友は迷うことなく、そのいかがわしくも愛らしい乳頭に舌を這わせた。 じゅるっ........くちゅ......。 「......んっ............!」 並木は手の甲で口を抑えていたが、逆に、その姿がとてつもなく淫らで美しい。 優しく行友の頭を撫でながら、押し寄せる快感に体を仰け反らせている。 「先輩...」 乳頭はすっかり固く、薄いピンクから赤みを帯びている。 行友はさらに舐め続けながら、並木の体を確かめるように、肩、背中、腰へと手を滑らせた。 そのままベルトと腰の間に出来た隙間に手を入れ、綺麗な円みと谷間を描いている臀部の溝に指を進めてなぞった。ほんの少し汗で湿っていて、弾力があり、淫らさの極みだった。 行友はもう片方の手で、並木のスーツと下着の下で膨らんでいる股間に手を当て、根元から上へ、先端から下へと扱いた。手で輪を作り、固くなったソレをぎゅっと握ると、勢いよくビクンッとしたうねりが返ってきた。親指で先端を撫でると、微かに湿っているのがわかった。 はぁ...はぁ......。 「.....行友くん....肩の力は抜けた…?」 「はい...」 「空虚感は?もう大丈夫そう?」 「いえ、それはまだまだです...。先輩、僕も...気持ち良くなりたいです...。どうすればいいですか?」 「わかった。」 並木は会議室Aの入り口に鍵をかけた。 「教えてあげるよ。」
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