光が射す方へ

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そうやって、ふたりで一つずつ、このかけがえのない経験を積み重ねていける。 そう思っていた。 だけど、その先を求めてしまう自分と、そうではない彼女の間には、決して埋められない溝があることに、次第に気付いていった。 ずっと前から、去る準備をしていたこと 分かっていたけど、分からないふりをしていた。 目を背けることで、この時間が一分一秒でも 長く続くように。 最低なことをしたと思う。 代わりになる人を、探した。 彼女が居なくなる恐怖に耐えきれなくて 周りから勧められた縁談を受けるようになった。 その中で、自分の弱さも受け止めてくれるであろう人に出会った。 そもそも別の相手と付き合っていることを、打ち明けた時に、全部を受け止めてくれたことが奇跡に近い。 だから、見合いで出会った何人目かの女性とこれからの人生を共にすることを決めた。 自分の汚さは、思ってた以上に最悪だった。 自分から別れを言わないと そう思うのに、一向に言えない。 何か喉をつかえたように、ぎこちなく笑って、なんでも無いとまた、同じ過ちを繰り返す。 だから、バチが当たったのかもしれない。 全ての行動は見抜かれていて、 一度もこっちを責めずに、ありがとう。という言葉だけを残して、 世界で一番愛しい人を失った。
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