高嶺の花とは縁遠い、私はとても×××なんですっ!

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え、どうしたらいいの? ソファのクッションに頭をもたれ、天井に顔を向けて瞳を閉じて、薄い唇は歯を食いしばって快感に耐えていた。 泥酔したことが恥ずかしくて目を開けられない。 いや違う。 私のパンツがTバックでパールがいついていて、なんなら謎の穴まで空いているのを見られてしまっている。 いやいや、これも違うような。 現実から目を背けるな、憂里。 私が今見ているのは、紛れも無い現実なんだから。 ゆっくり瞼を開き、再びに視線をやった。 筋が浮き立ち、今にもはち切れてしまいそうな熱杭が、パールが擦れる度にビクビクと震えて、先端から伝う液がよだれのように垂らしていた。 それがパールと布が擦れて、ヌチャヌチャと静かな部屋に響いた。 荒くなる息遣いと、男の人の汗の匂い。 それでもあまり動揺しなかったのは、ここ最近話題になった『エロ垢』という存在のせいだろう。 SNSやアプリで性的な動画配信をしている人達のことを『エロ配信者』や『エロ垢ツイ主』と呼んでいた。 お察しの通り、私は恋愛を拗らせてきたけど性的な事には興味津々なのである。 色々なえっちな動画を見てきたが、どれもエグく、自分に置き換えることが想像出来ずに渡り巡っていたところ、『後輩の悪い癖』というタイトルに惹かれて覗いてみると、男の人が1人でマスターベーションをしているものだった。 それも優しい声で「先輩」と言う彼の声は魅力的で、動画では珍しい男の人の喘ぎ声が堪能できるモノだった。 他の動画では、ほとんどが女の子が喘いでいて、男の人が言葉責めをしている動画ばかりだ。 時折見える彼の横顔や目元がチラリと映り込んだ時の華やかさに驚いた。 黒いマスクをしていて素顔は見えないけれど、イケメンなんだろうというのが体躯や骨格、顔のパーツが物語っている。 後輩シリーズというタグ付けされているため、どうやらこれは演出らしい。 イキそうになると必ずイツキ君はこう言う。 『せんぱい、だいすきですっ』 「せんぱい、だいすきっ、すきですっ!!」 喘ぎ声を噛み殺し、鼻息を荒くさせたまま絞るような声で後輩が呟く。 それはまるで、あの動画配信している『イツキ君』みたいな声で。 後輩くんは、私のパンツに白濁したものをぶちまけた。
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