ツイ主とやり取りが止まらない

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新城憂里は『イツキきゅん』のツイートにキュンしたり、目の前のトイレで送信しているだろう後輩を思うと複雑な感情になったりと、ポーカーフェイスが崩れ落ちそうになっていた。 彼のためになるだろうと同期の国司たちを招いたものの、肝心な五木さんは目が死んでいる時があった。 これは、国司 良太が苦手なんだろうというのが目に見えてしまって、申し訳ない気持ちになった。 そして、私も彼がの苦手なのだ。 でも、仕事はガッツリ行くタイプで、得意の話術で人々の心を掴みながら男女共に支持される男。 彼と私が同期のせいもあり、彼にも自分の噂が飛び火して“カップル”だとか言われた時期もあった。 本人は『高嶺の花の彼氏に認定されるなんて光栄だね』と笑っていたが、しっかり否定するようにしたら本人も違うよと噂の火消しをしてくれた。 悪い人じゃないのだけど、彼が私にを向けて来るのが苦手なんだろう。 過去に彼に告白されたことがあった。 でも、その頃はお互いに新人だったし、恋にうつつを抜かす余裕なんてこれっぽっちもなかった私は、しっかりお断りした。 なんなら、「そっか」とあっさり引いた彼に驚いたのだけど。 鬼上司にみんなしごかれた時間のお陰でそんなことも忘れて、上司だった人たちを追い越す出世をしたことが嬉しくて、やり甲斐を見出した頃に早々に新人教育を任され、色々あって今に至るまで彼は同じ社員として接してきてくれた。 本社に戻って来てからは彼は企画部の部長に昇格していた。 戻って来てからというもの、やたら飲み誘われるし、隙あらば会いにやって来るようになった。 「なぜ来るのか?」の問いに彼は「出世した男にしか興味ないってあの時言われたから、今ならいけるかな?と思って」と、いう口説き文句にぐうの音も出なかった。 国司に「初めて会った時から気になっていた。お互いいいパートナーになれると思う。良かったら付き合ってください」と告白され、正直またか。という気持ちだったので。 「私は高学歴高収入高身長の三拍子揃った人しか興味がありません。もし私のことが本当に好きなのであれば、今は忙しいので大出世してから出直してきてください」と。 まさか、それをやり遂げてしまう奴だったとは。 このまま業績を上げていくと本部長になりかねない。 いや、喜ばしいことだし、凄いことなんだけど。 諦めて貰うはずが、諦めるどころか努力した結果を見せつけられると、「やってやったぞ?」という国司良太の腹黒さが露呈してきて怖い。 あんな優男に見える彼だけど、絶対ドSに違いない。
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