先輩の好きな人と後輩の好きな人

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初めて、同じ部署の男性を登録してしまった。 (部長はカウントしていない) ん? 待って、それってつまり、『イツキきゅん』とALINEを交換してしまったということ?!! ど、どうしよう!! ニヤニヤが止まらないッ!!! いやまて落ち着くのよ私。 彼は同僚。 エロ配信者『イツキ君』として交換したわけじゃない。 私があまりにも情けないから後輩が見かねて助けるつもりで連絡先を交換しただけなのだ。 しかも、エロ配信者と連絡先交換したからってこんなに舞い上がるだなんて。 落ち着け28歳。 もう私は立派な大人。新城 憂里なのよ、高嶺の花と言われ崇められるのだから、少しくらいそれに見合うようにしておかなくては。 ふと、彼の横顔を盗み見て思う。 あの時、なんで私の部屋で、しかも私のパンツを握っていたのか。 なにより、あの後パンツの行方がわからないのだが?? 朝起きてノーパンだったことは伏せたけど、あの握り締めていたTバックって、私が履いていたやつだったわけで。 寝てる間に脱がされ、、、。 「先輩!前見て!」 エスカレーターが降り切っていたことに気がつくのが遅れ、つま先が陸地に躓き体が傾く。 倒れる! そう思った矢先、目の前に立っていた五木さんが私の肩を支えた。 「最近危なっかしいですよ?どうしちゃったんですか?」 「ごめん、考えごとしてて。ありがとう、助かったわ」 貴方が私のパンツを玩具(意味深)にしていたせいです。 私のパンツはどこへ?という大事なこと、1週間経ってから気がついたわ。 色々情報量が多すぎて消化するのに時間がかかってしまった。 『はぁっはぁっ、、、んっ、くぅっ、、せんぱいっ、せんぱいっ、、、せんぱ、、、いっ、もっと、、、もっと、、みてくださっ』 脳内再生が止まらない。いかん。 キュンとアソコが濡れてきたのがわかる。 だって、今日はパンティの役割がほぼ意味なしの穴空き&またパール付きだから、、、泣 気持ち良さそうにしてたし、ずっと目を瞑ってた。 先輩、先輩って縋るみたいに甘い声で啼いて。 そういえば、なんで私の部屋で『後輩シリーズ』をしていたのだろう。 入社して早3ヶ月。 ストレスが溜まっていたのだろうか。 それとも、人の家にいるという背徳感からくる性癖ゆえのものか。 彼を知ろうという機会が少なかったのかもしれない。 最近ずっと、会社行ってその帰り道にお婆ちゃんの病院へ行って。だったし、会社のことあまり頭になかったな。 教育係に任されて、プレッシャーだなと思っていた。それが男性なら尚更。 「頼れる後輩になれましたかねー?」 「まだかなぁ」 「ぐはっ、厳しいっ!!」 「書類不備無くしてくれないと、私の確認作業が増えて困るもの」 「辛辣ぅっ。はい、もっと精進致します」 でも、こんな風に気を使わない男性がそばにいるのも悪くないかなと思った。 子犬が懐いたみたいで、ちょっと可愛いとか思ってしまう。 「先輩、コーヒーと紅茶どっち派ですか?」 「いちごミルク派です」 「え?」 会社を出ると広場があって、ちょっとした公園のような憩いの場にもなっている。 自販機前で止まった五木さんがポカンとした。 「似合わない?」 つい反射で答えてしまった。 恥ずかしくて耳が赤くなってるのが自分でも分かる。 バレてませんように。 街頭が光る下で、チラリと彼を見上げると彼は特に気に留める様子もなく、自販機の真ん中に陳列していたいちごミルクのボタンを押していた。 取り口からサッと取り出した淡いピンク色のパッケージにイチゴの絵が描かれたそれを膝の上に置かれた。 「いちごミルク飲んでるの、ギャップがあって可愛いですね」 かわ、いい。 可愛い?! サラッと口に出した五木さんを見上げると、彼も飲み物を買っていた。 手にしていたのは、無糖ブラックのコーヒー。 「僕も似合ってないですか?」 ぺっと舌を出して言う彼は、子犬みたいで可愛くて、確かに『似合ってない』。 缶コーヒーを開け、キュッと一口飲んだ彼を見て思わず口元が緩む。 仕事終わりに飲むいちごミルクは、いつも疲れた体にエネルギーをチャージさせるために飲んでいた。 あともう少し、頑張れ。 そう思いながら、自分を叱咤させるために飲んだいちごミルク。 「あ、せんぱ」 彼の手に持っていたコーヒーを手に取って、一口含んだ。 「うん、美味しいね」 ブラックコーヒーや紅茶が似合うと言われて飲み続けてきた。 最初こそ苦手だったけど、毎日飲むようになって慣れた。 会社にいる間はずっとコーヒーか紅茶だったから、彼も気を利かせてコーヒーか紅茶か?と尋ねてくれたのだろう。 でも、帰路につくまでの時間は、私だけでいたかったから。 いちごミルクで励ましていた。 五木さんはそのコーヒー缶を握る私を見下ろして、きゅっと唇を結った。 「先輩のそういうところ、ほんと、、、」 「あ、潔癖症?」 「違います。もう、行きますよ!」 なんでか後輩は今日も唇を尖らせてしまう帰り道でした。
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